「ここまで来るのが本当に奇跡の連続でした。毎日奇跡が起こっているような状況で本当に信じられません」
女王の口から真っ先に出たのは感謝の言葉だった。10月8日、江戸川区総合文化センターで行なわれた『JBBFフィットネス・ジャパン・グランド・チャンピオンシップス2023』のビキニフィットネスを制した安井友梨は、4連覇が確定した瞬間大粒の涙を流した。その姿がここまでの道のりの険しさを物語っているように思えた。
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彼女が言う奇跡の連続というのは、国内無差別戦V4という記録だけではない。周知の事実ではあるが、彼女は8月にトレーニング器具を左足に落下させ親指を粉砕骨折。その中でも国内ビキニ階別級決戦(9/9~9/10、JBBFオールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス2023)とドレスカテゴリーでの国内階級別決戦(9/17、JBBFオールジャパン・フィットモデル・チャンピオンシップス2023)で優勝をはたし、今回のグランドチャンピオンシップスでも連覇という偉業を成し遂げた。
「私ひとりでは掴めるものではなかったので、みなさんが私を支えてくださったという気持ちでいっぱいです。(優勝を争った)ダンシーあずささんも、彼女がいたから私もがんばることができましたし、ケガから復活して同じステージに上がりたいと思わせてくれた存在でした。今回はみなさんに対しての感謝のステージにしたいと思っていました」
ケガを経て周囲への感謝が強くなり、それが心の支えとなった。そんな彼女は大会直前に自身のブログを更新しており、そこに理想とするチャンピオン像への思いを綴っている。
「安井が“いてよかった”というよりも、安井が“いなければ困る”と言っていただけるようなチャンピオンになること」
彼女が目指すのは、より多くの人に好影響を与えられる存在だ。そのために今年はメディア出演を含む競技普及への尽力や、全国各地の大会でゲストポーズに出演するなど献身的な活動を続けてきた。
そして今回、日本最高峰の舞台でケガを乗り越えての4連覇達成。その姿は多くの人に勇気と希望を与えたのではないだろうか。
「私がステージに立つ姿を見て何かを感じていただけたら、がんばってヒールを履いてステージに立った意味があるのかなと。そんな気持ちで今日は臨みましたね。ここからアーノルドクラシックヨーロッパと世界選手権に向けてもっと体を仕上げて、自分史上最高のビキニフィットネスをみなさんに見ていただけるようにがんばりたいと思います」
周囲への感謝と他者貢献への強い思い。それがどんな困難があっても彼女の心を支えている“折れないモノ”なのだろう。残すは悲願である世界選手権で優勝をはたし、周囲への恩返しを完成させるのみ。心身ともに充実した状態での世界戦に向け、女王は再び歩みを進める。
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