『将来の夢=プロレスラー』に大人は反対 プロレス青年が抱いたもうひとつの目標「子どもの夢を応援する先生になりたい」




道頓堀プロレス所属、25歳の若手レスラー・晴斗希(はるとき)。デビュー5年目を迎えた彼は今、『先生』とプロレスラーの二刀流に挑戦している(前編の記事はこちら)。

幼少期に抱いた“プロレスラーになる”という夢を追い続け、高校では器械体操選手として非凡な才能を見せた晴斗希少年だったが、やがて大学進学の時期を迎える。学業の方でも晴斗希は優秀だった。しかし、そのことが高校生活をつまらないものにしてしまった。

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優等生だったプロレスラー

「器械体操もですけど、僕、英語をみっちり勉強したかったんです。でも、部活は僕ひとりになっちゃうし、英語の授業も思っていたのと違って…。1年の夏には転学しようと思ったんです。それで担任の先生に相談したら引き止められて、そこで文科省が初めた短期留学支援制度を紹介されたんです」

晴斗希はこれにチャレンジし、見事合格。カナダ・バンクーバー行きの切符をつかんだ。しかしこのときの面接試験でも、将来の目標を「世界に通用するプロレスラー」と言って面接官をあぜんとさせている。

文武両道の高校生活が認められて卒業式では代表として答辞を読んだ。高校からは系列の難関校・立命館大学への学校推薦での進学や国立大学の受験を勧められたが、彼が選んだのは関西外国語大学だった。当然プロレスラーになるためである。

「まずはスペイン語ですから。メキシコで修行したレスラーさんたちはみなさん、言葉でつまづくって聞いていたもので」

キャンパス生活は真面目そのものだった。授業は常に一番前の席。予習は欠かさず、大学の講義だけでは飽き足らず、地域のスペイン語教室にも通った。当然、勉強と並行してプロレス道場通いも続けている。その甲斐あって、半年ほどで日常会話はこなせるようになった。

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