現役を続けるためのケガ予防に迫る 世界で闘う総合格闘家のボディケア




打撃、レスリング、投げ技、寝技と、多様な攻撃が飛び交う総合格闘技(MMA)。ハードな競技で闘い続けるには、日々のボディケアが必要不可欠だ。今回は女子格闘家の渡辺華奈選手を取材し、彼女の競技人生とケアの取り組みについて聞いた。

【写真】美女格闘家・渡辺華奈選手フォトギャラリ-

原点は柔道。痛感したケガ予防の重要性

総合格闘家として世界を舞台に活躍する渡辺華奈選手。彼女のルーツは7歳から始めた柔道であり、オリンピックを目指して競技に打ち込んだ。高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝、東海大学時代は全日本ジュニア優勝など輝かしい実績を残し、JR東日本(実業団)でも活躍。30歳目前で総合格闘家へ転身し、37歳を迎えた現在も海外で闘い続けている。

組み技や寝技だけでなく、打撃も含まれる総合格闘技の世界で闘う

「まだ強くなっている実感があります。やっぱり年齢とか女性であることとか、現役を続ける上でいろいろな問題はあります。挫折したこともたくさんあります。そんな中でもがんばれているので、いろいろな人の挑戦を後押しできる存在でありたいと思います」

女性アスリートであれば、30歳は競技人生の岐路に立つ年齢でもある。渡辺選手はそこで競技転向を選んだ。きっかけは実業団時代、28歳で会社からコーチ転身の打診を受けたこと。柔道家としては事実上の戦力外通告だった。

コーチへの転身を勧められた背景のひとつが度重なるケガだった。実業団に所属してからというもの、1年目、2年目に右ヒザの靭帯を断裂していた。戦列を離れることが多く、個人戦でも実績が低迷していた渡辺選手に対し、会社は新たな道を提示した。

全日本実業団体で創部初の準優勝を達成。この時、渡辺選手は優秀選手賞を受賞

無論、コーチになれば選手としての活躍はあきらめざるを得ない。30代目前での挑戦は勇気が必要だったが「闘いの舞台から降りる」という選択肢はなかった。MMA転身を決意した渡辺選手は燃え尽きるまで闘うため、今なお第一線で戦い続けている。

MMAへ転向後、強く意識するようになったのがボディケアだった。もともと柔軟性は高かったものの、柔道をしていた頃はケアへの意識が低かったからだ。練習後はストレッチもせずに寝てしまうか、そのまま遊びに行くことも日常茶飯事だった。

「長く現役生活を送りたければ、若い頃からケアを大事にする必要があると痛感しました。私は若手時代にとにかく練習練習、という感じでやってきてしまい、ケガを引きずったこともありました。もちろん練習を100%の力でやるのは大事ですが、無理と無茶は違います。若い頃からケアをしっかりしていれば、30代になった時に差が出ると思うので、若い選手にはケアの意識をしっかり持ってほしいです」

そういった経験を経て、現在重視しているのがケガ予防だ。練習前には動的ストレッチで体をほぐし、良好なコンディションで練習に入るようにしている。とくに重視するのは肩まわりや体幹部、股関節、ハムストリングスなどのストレッチ。練習後にはグッズも使ってケアを行ない、週に1回は治療院でボディメンテナンスをするなど徹底している(後編に続く)。

◆本記事は日本ストレッチング協会 協会誌「CREATIVE STRETCHING」で紹介された内容を再編集したものです。

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