ボディビル・刈川啓志郎「気持ちよく負けた」から1週間、“盛れすぎた「盛れミ」”で会場沸かす 日本選手権&ジュラシックカップ共に準優勝




10月11日に大阪・メイシアター(吹田市文化会館)にて開催された日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催の「第72回日本男子ボディビル選手権大会」で刈川啓志郎が準優勝を果たした。

【動画】筋肉盛り盛りの「盛れ!ミ・アモーレ」

「自分の中では今年は調子が良かったので、結果が発表されたときには『マジか~、2位か~』という感じで。ただ、ボディビルには順調に取り組めましたし、やり切ったという思いが強くて。気持ちよく負けれたなと思ってます」と話す。

優勝した扇谷開登と比べると、課題であった背中にはまだ改善の余地は残しているが、「弱点であるのは間違いないですが、自分の中で改善の考え方もわかり、取り組みもできてステージでも現れていたと思います」と前向きだ。

当然、2位という順位に満足はしていない。昨年が1点差の準優勝だったのに対して、今年は7人の審査員の中で彼に1位票を投じたのは1人のみ。「完敗ですが、来年やり返します」と言い残した。

…が、その一週間後の10月18日、彼は埼玉・ウェスタ川越のステージでその姿を再び見せた。木澤大祐と合戸孝二が主催する「ジュラシックカップ」の最上位「グランドクラス」に、当日までエントリーが隠されている「Mr.X」として出場。“昇龍”(のぼりりゅう)という異名と共に彼が姿を見せると、会場はこの日最高レベルの歓声に包まれた。

日本選手権から1週間の時を経て、扇谷、そして同3位の寺山諒との再戦。審査員が変われば評価は変わる。審査員の位置も違えば見え方も変わる。1年前に寺山が逆転Vを果たしたように、今回ももしや…と思われたが、順位は変わらずに2位。扇谷に完敗で2026年シーズンを終えた。

順位発表の瞬間こそステージ上で悔しさに溢れる表情を見せていたが、彼はこの日は、シンプルにボディビルを楽しんでいたように思う。その一つが、フリーポーズの選曲だ。一般部に参戦以降は映画のサウンドトラックなどを中心に使用していたが、この日のBGMはJuice=Juiceの「盛れ!ミ・アモーレ」である。昨年後半からTikTokなどで「盛れミ旋風」と言われる大バズを巻き起こした楽曲だ。ちなみに、2022年の関東学生ボディビル選手権では乃木坂46「シンクロニシティ」でフリーポーズをとっており、それ以来のアイドルソングである。

「今日は楽しもうと思って(笑)。好きな曲にしました」と笑った。

ここ数年は勝利への執念深さ故に強張った表情を多く見せてきたが、久々に満面の笑みとやり切った充実感をステージ上で見せた刈川。留年を続けてきた学生生活とも、(問題がなければ)今年でやっとやっとお別れである。扇谷の一強時代にはさせない、そんなステージを来年は期待したい。

文・写真/木村雄大