誰もがおそらくやったことであるであろう、ストレッチ。体を伸ばすこと……と、みんな理解はしているだろうが、実はもっと奥が深いもの。この連載企画では、そんなストレッチのエキスパートである長畑芳仁先生に、ストレッチの奥深さを話してもらう。今回は、年齢とともに体が硬くなる理由について。
A.筋や靭帯などの線維が変質するためです。
加齢に伴う膠原(こうげん)線維の変質や、エラスチンの伸縮率の低下などが原因と考えられます。膠原線維とはいわゆるコラーゲン線維で、エラスチンは皮膚を構成する成分の一つです。
体が硬くなることを防ぐには、ストレッチを継続していくことが重要になります。また、筋膜にアプローチする筋膜リリースも有効です。運動を続けることも大切ですね。老化による萎縮がどこまで抑えられるか、それには限度があるでしょう。ですが、ストレッチや運動などを続けることで、萎縮を最小限に防げる可能性はあります。
1日うちにストレッチを何回やる、何日置きにはやる、などの頻度を決めるよりは、「柔軟性を付けたい」などの目的が発生したときには、継続することが必要になっていきます。1週間、2週間と継続していくと、変化が実感できるはずです。
※本記事は、2017年に公開した記事を再構成したものとなります
長畑芳仁(ながはた・よしひと)
1960年、大阪府出身。 特定非営利活動法人日本ストレッチング協会理事長。日本体育協会認定アスレティックトレーナー。 帝京大学講師。早稲田大学教育学部卒業、順天堂大学大学院体力学専攻修了。 2001年「すとれっち塾戸田公園店」開設。専門分野はアスレティックトレーニング、スポーツ科学、アスレティックリハビリテーション。リコーラグビー部など、多数の社会人・大学チームのストレングスコーチ、および日本代表ボートチームのフィジカルサポートなどを務める。「ストレッチまるわかり大事典」(ベースボール・マガジン社)「アクティブBODYストレッチ」(日東書院)など著書多数。
日本ストレッチング協会HP