サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第50回は、日頃よく聞く「糖質」の種類について。
■うるち米は絶妙な消化スピードを持つ
砂糖はブドウ糖と果糖で構成されており、これを二糖類と言います。サトウキビやテンサイからつくられる糖の結晶です。ともすると悪者扱いされがちですが、甘味料としても不可欠な糖ですし、この世の中から砂糖がなくなったら私たちの食の楽しみは半減するでしょう。
ただ、あまりにも汎用性が高く幅広く使われてしまうことから、過剰摂取となる点に関しては注意が必要です。おいしい上に吸収が早いので太りやすい糖でもありますから、肥満、糖尿病、虫歯などの原因としてもやり玉にあげられてしまう代表と言えます。
一方、お米はアミロースというデンプンと、アミロペクチンというデンプンで構成されています。ここで言う「お米」とはうるち米のことで、私たちが日常的に食べている白米を指します。アミロースとはブドウ糖が一列につながっているような状態で、アミロペクチンはブドウ糖がたくさんの枝葉をつくりながら、蜘蛛の巣のように広がっている状態です。
もち米はアミロペクチン100%で、一般的なうるち米はアミロペクチンが80%程度、残りはアミロースです。もち米独特の粘り気は、まさにアミロペクチンの特徴なのです。うるち米の中でも、こしひかりのようにしっとりとした粘り気が強い種類は比較的、アミロペクチンの比率が高めで、パサパサ感が強いタイ米などはアミロペクチンの比率が低めです。
デンプンを分解する酵素はデンプンの末端にしか反応しないため、一列につながったアミロースは両末端しか反応する個所がないため分解に少し時間がかかり、逆に枝葉をたくさん持つ末端の多いアミロペクチンは、消化されるのが早くなります。うるち米のこの消化スピードは、ある意味において絶妙と言えるかもしれません。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。