パーソナルトレーナー、コンテストへの道~その三(最終回)




NESTA JAPANの理事を務め、数多くの著書を持つ澤木一貴氏(SAWAKI GYM代表)が、8月15日に開催された東日本フィットネス選手権メンズフィジーク40歳以上172㎝以下級に出場した。今回は、大会当日の熱戦の様子と、本番終了直後のインタビューをお届けする。

今大会は日本社会人ボディビル・フィットネス連盟が主催する大会。東京・きゅりあん(大ホール)で開催され、東日本各地から多数の選手がエントリーして戦いを繰り広げました。
SAWAKI GYMから今大会に出場したのは、澤木さんと同じくジムでトレーナーを務める永島一平さん、八須拳太郎さん、佐々木優馬さんの4名。このうちコンテスト経験があるのは佐々木さんのみという状況で、一致団結して鍛錬に励んできました。

左から佐々木さん、八須さん、澤木さん、永島さん

いよいよ大会が開幕。各自異なる階級でステージに臨みました。

澤木さんは40歳以上172㎝以下級
永島さんは40歳未満172㎝以下級
八須さんは40歳未満168㎝以下級
佐々木さんは40歳未満176㎝超級

澤木さん、永島さん、八須さんは惜しくも予選敗退を喫してしまいましたが、フィジーク経験者の佐々木さんが本領発揮。決勝審査へ進出し、40歳未満176㎝超級で3位を掴み取りました。

40歳未満176㎝超級の決勝審査の様子

多くの出場者がしのぎを削る中、SAWAKI GYMの皆さんはポージング練習の成果を存分に発揮し、堂々たるステージを披露。細かな手の位置や力の入れ具合……。すべてが鍛え上げた肉体を輝かせます。その奮闘に、観客席の応援団からも惜しみない拍手が送られました。

そんな大会終了後、戦いを終えた皆さんにお話を伺うことができました。

――大会お疲れさまでした。記者として会場で拝見していましたが、観戦にとても熱が入りました。本番を終えられて、率直な感想をお願いします。

澤木 出場者の皆さんのすごさを改めて感じましたね。ボディメイクを長くやられている方は、今回我々が挑戦したことを長期間続けているわけなので。本当に尊敬します。ただ先ほど、ジムのお客様に応援席から撮っていただいた写真を見たのですが、メンバー全員が自分比で納得できる身体になっていました。入賞の有無にかかわらず、自分で納得できる結果を出すことができたのは大きかったですね。メンバー一同、晴れやかな思いで次に向かえるのではないかと思います。

――それは何よりです。大会出場にあたって、準備の段階から学びも多かったと伺っています。

澤木 そうですね。食事も知識を持っているだけでなく、実践することによって身体は変わるということを体感できました。ここで得た意識の変化は今後も継続できると思います。この4名で挑戦することができて、各々感じたことも大きかったのは収穫になりました。

――挑戦したからこそ、各々感じることがあったというのは大きいですね。

永島 はい。今回の挑戦を通して、お客様のモチベーションアップにも貢献できたのはうれしかったです。トレーナー自身が身体づくりを頑張ることで、「すごくやる気になった」と言ってくださるお客様も多くて、それが私の中で大きな喜びでした。またぜひ挑戦してみたいと思います。

八須 私もとても良いステップになりました。実は私自身、トレーナーでありプロレスの選手でもあります。練習とボディメイクを両立できるか不安もありましたが、ケガなく肉体強化を成功できたことは良い経験でした。今後は柔術の試合にも出場したりと挑戦を続けるので、そこで学んだことを指導に還元できればと思います。

佐々木 ステージに立って改めて、応援してくださる方の温かさを感じました。永島さんがおっしゃるように、お客様のモチベーションにつながる挑戦ができたのは大きかったです。

――ありがとうございます。「お客様に伝えられること」という点でも、佐々木さんの3位入賞は大きな意味を持つのではないでしょうか。

佐々木 今までこういった世界を知らなかった方にとって、ボディメイクに興味を持つきっかけになれば何よりです。今回ギリギリですがメダルを獲得できたので、この結果によってお客様の「自分もがんばろう」という気持ちを高めることができたらうれしいですね。ボディメイク指導のニーズにも応えられるよう、今後も頑張っていきたいです。

――それぞれに大きな学びもあり、トレーナーとしてさらなる高みへ近づくことができたのですね。

澤木 そうですね。今の時代はボディメイクのニーズも高まっているので、そういった要望にも応えられるジムへと踏み出せたのではないかと思います。ただ、高いレベルを求めるお客様に来ていただくには、我々がますます結果を出さなければならないということがもちろんありますよね。やはり、レベルの高いトレーナーに教わりたいというのが真理だと思いますので。

――なるほど。では、皆さんまだまだ進化し続けていくのですね。

澤木 はい。たとえば、ボディメイクの面をさらに強化していくのであれば、次の挑戦では佐々木に優勝してもらったり、我々も入賞を目指していくといったステップも一つ考えられます。もちろんSAWAKI GYMの土台である、「健康づくりや機能改善、アスリートのパフォーマンスアップ」という点は変わりませんが、幅を広げるという意味で今後も成長していければと思います。今回の挑戦を通して、間違いなく我々は進化することができましたので、今日はその記念日になりました。

「パーソナルトレーナーのコンテスト挑戦」というテーマでお届けしてきた全3回。今回の挑戦を経て、大きな経験を得ることができたようです。今後のSAWAKI GYMの進化から、ますます目が離せません。

取材・文・写真/森本雄大
写真提供/澤木一貴

パーソナルトレーナー、コンテストへの道~その一

パーソナルトレーナー、コンテストへの道~その二