甘いお菓子やゼリーでも糖質ゼロなら問題ナシ?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第150回は、近年よく見かける「糖質ゼロ」の食品について。

■「ゼロ」という部分を過大評価しない

これはとくに清涼飲料水に多いケースではないかと思いますが、高甘味度甘味料を使うことで甘さはあってもカロリーはゼロというケースはもはや日常的です。

甘い=カロリーではなくなったのです。

ただし、お菓子などで糖質ゼロの場合は、糖質以外に脂質がタップリ使われていたりすれば当然カロリーは高くなるので、糖質ゼロ=カロリーゼロではありません。また高甘味度甘味料の場合でも、100gあたりで5㎉未満の場合はカロリーゼロと表記できますので、厳密にはゼロではないというケースも多いです。つまり500mlの飲料を飲んだ場合には、カロリーゼロと表記はされていても25㎉ほどは摂取している可能性があるということです。

高甘味度甘味料の場合には血糖値はほとんど上がりませんから、基本的にインスリンは分泌しないとされています。中には脳が甘さに反応して膵臓からインスリンの分泌があるという話も聞きますが、一般的な解釈としてはインスリンの反応は無視してもいいと思っています。

ただし、脳が甘さを認識するという点は無視できません。甘さというメッセージはエネルギー源(カロリー)というメッセージですので、そこが空振りになるわけです。その瞬間は一時的に空腹などを回避することになりますが、すぐにそれが空振りだったということはわかるわけです。すると、より甘いもの(カロリー)が欲しくなるという反応が起こる可能性があります。

減量期やダイエットの際に適度な活用はアリだと思いますが、ゼロという部分を過大評価してしまって、習慣的に飲んだり食べたりするのは逆効果になりかねません。食べようとしているお菓子を糖質ゼロに置き換えたり、飲もうとしている飲料をカロリーゼロに置き換えたりという活用がいいのではないでしょうか。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。