多種多様な商品が展開されている「プロテイン」。しかしその多様さゆえ、初心者はどれを選んだらいいのかわかりにくいのが現状だ。そんな悩みを解決するため、アスリートフードマイスター・腸内フローラ検査アドバイザーとしても活躍する栄養のスペシャリストの牧春菜さん(栄養管理士)にお話を伺った。(2021年5月14日、『VITUP!』掲載)
――「筋トレ後にはプロテイン!」とよく言われますが。そもそも、その理由を教えてください。
牧 筋トレによって筋肉細胞が傷つけられた身体は、エネルギーや栄養素を消費した飢餓状態になっていて、糖質、水、タンパク質などを特に必要としています。
これらを早めに補給することで筋肉細胞の修復が早まると言われているのですが、プロテインなら必要な栄養素を一度に摂ることができます。
さらに最近は、ビタミンやミネラルといった栄養素も一緒に配合されている製品も多く、プロテインは効率良く栄養を摂取することができるものとなっています。
――さまざまな種類のプロテインが販売されていますが、使い分けはどうしたらいいですか?
牧 プロテインの種類は大きく分けて、ホエイ、カゼイン、ソイの三種類です。
ホエイはBCAAを多く含み、筋力や健康状態の維持が期待でき、吸収速度も速いので、トレーニングの合間やトレーニング直後などに摂取すると良いでしょう。
逆にカゼインは吸収が緩やかで、腹持ちがいいんですよ。そのため朝食時に使ったり、就寝の一時間前に摂ったりすると、時間をかけてゆっくり体にタンパク質を補給してくれるので、筋肉量を落とさずに減量する手助けとなってくれます。
最後にソイは、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが入っているので、肌や骨の強化などに期待できます。吸収速度がゆっくりなため、満足感が持続しやすくダイエットしている方や健康維持をしたい方におすすめしたいですね。
――最近では、水や牛乳に溶いて飲む粉末タイプ以外にもさまざまな種類があり迷ってしまいます。
牧 確かにプロテインは、粉末タイプやバータイプ、ドリンクタイプなど種類が豊富です。
今では、粉末タイプでも食事に“隠し栄養”のような形で入れるものまでありますよね。選び方としては、どういった志向・目的でプロテインを摂取したいかというのが重要です。
「お菓子をやめたくないから、代わりにプロテインバー」というような選択肢もありだと思いますよ。
ただ、バータイプには糖分や脂肪分が多く含まれているものもありますし、プロテインもたくさん摂ればいいというものでもないので、食べすぎには注意してください。
――初心者におすすめのプロテインはありますか?
牧 そうですね……。皆さん悩まれると思いますが、手軽さとして、“バータイプ”と“ドリンクタイプ”をおすすめしたいと思います。
コスト的にも手軽なので、購入のハードルが低いのが嬉しいですね。コンビニで、飲むヨーグルトの代わりにプロテインドリンクを買うとか、そういうところから試してみるのが良いのかなと思います。