MMAファイターも取り入れるウォーターローディングって何?




格闘技やボディビルなどの体重制限がある競技において、近年広まっているのが『ウォーターローディング』と呼ばれる調整法です。読んで字のごとく細胞内外をつねに水分で満たしておく方法で、脱水症状を防ぐ意味でマラソンや熱中症対策としても有効な手段として重宝されています。

ここまで読んで「ん?」と違和感を持ったアナタ。はい、その気持ちはよくわかります。ボクシングを題材にした漫画を読むと、たいてい水を一滴も飲めないような壮絶なシーンが描かれていますよね。

そうでなくても格闘技の世界では「水抜き」という言葉がポピュラーなように、体内を水分で満たすウォーターローディングはもっとも対極に位置する方法のようにも思えます。それなのに、なぜこの方法を取り入れる格闘家が増えているのでしょうか。そこにはダイエットなどでも耳にする「ホメオスタシス(生体恒常性)」という、体の状態を一定に保とうとする働きが関係しているようです。

つまり体内の水分量が多ければ排出が促進され、少なければ吸収能力が促進されます。この働きを利用して大量の水分を摂取して排出機能を高めておくことで、計量前日の水抜きが効率的に行なわれるようになるわけです。

しかも脱水症状の状態が短時間のため、体や精神的な負担もそれだけ軽減されます。今回、密着取材を敢行したダイキ・ライトイヤー選手(修斗GYM神戸)も、周囲の声を取り入れウォーターローディングに挑戦した一人です。試合には惜しくも敗れてしまいましたが、「減量に関しては成功」というダイキ選手の生の声をお届けします。

■前日計量の模様はこちら

◆水の抜け具合がいつもよりよかった