サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第197回は、継続することが苦手な人にこそおすすめしたい短期間で効果を実感しやすい取り組みについて。
■腸内環境の改善と血糖値の安定
どれくらいの期間を短期間と考えるかにもよりますが、仮に2週間くらいと仮定して試してみる価値のある取り組みはあります。
まずは腸内環境の改善です。
腸は上手に扱えば最高の発酵器官ですが、扱いが悪いと腐敗器官へと変貌してしまいます。まずは日常の食生活で食物繊維を意識して多く摂るようにして、乳酸菌も取り入れるようにします。乳酸菌はヨーグルトでも飲料でも構いませんが、同じタイプのものを続けるほうがいいでしょう。
食事の内容としては脂っこいものを控えめにして、起床時と就寝前にグルタミンを飲みます。もし追加するのであれば、酵母菌などを利用した整腸剤も取り入れてもいいかもしれません。2週間あれば腸内環境が変わっていくはずですから、その変化に意識を向けて生活してみてください。
他には終日を通して、血糖値の乱高下をさせないという取り組みもおもしろいと思います。ブドウ糖や砂糖を空腹時に摂らないとか、果糖、ブドウ糖、液糖の炭酸飲料を控えるとか、急激な血糖値の上昇に注意をします。また低GIの炭水化物を食べるように心がけます。白米ではなく玄米にしたり、うどんではなく蕎麦にしたりといった具合です。オートミールなどの活用もいいでしょう。
間食は空腹時であることが多いので、リンゴやバナナ、ナッツ類を利用することで血糖値の上昇を防げます。また、サラダなどの野菜類をなるべく食事の前半に摂取することで、血糖値の上昇を緩やかにしていきます。血糖値の急激な上昇は漠然とした疲労感をともなうようになり、また低血糖への我慢ができなくなってしまいます。2週間も続ければ低血糖にもなれ、目覚めがよくなったり、疲労感の軽減も実感できるかもしれません。
腸内環境の改善と血糖値の安定。このふたつは2週間くらいでちょうど体感しやすくなる取り組みだと思います。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。