サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。今回は、子どもが避けるべきサプリメントについて。
※本記事は、2020年に公開した記事を再編集して紹介するものとなります。
■基本的な栄養素に近いものはOK、機能追求型はNG
「サプリメントを子どもが飲んでも大丈夫ですか?」と質問されることがよくあります。これはサプリメントの内容によると思います。
例えばプロテインであれば、サプリメントとは言っても何か特別なものではなく、単にタンパク質を粉末にした状態のものですから、飲む量の調整は必要となりますが、子どもが飲んでも問題ないでしょう。
実際、ジュニアプロテインなるプロテインも店頭にはありますし、小学生くらいが食事によるタンパク質の不足を補ったりするケースもめずらしくはありません。その際に気をつけるべきことは、プロテインはあくまでも補助であって、主食を疎かにしてはいけないという点です。
ちなみに、ジュニアプロテインと言っても特別な配合というわけではなく、タンパク質をメインにマルトデキストリンなどの糖質を配合したものや、その他で言えば子どもを想定してカルシウムの配合が豊富だったり、ビタミン類の中でもビタミンDを配合するなどして大人のプロテインとの差別化を図っている程度です。手軽に確実にタンパク質が補給できるのがプロテインの最大の特徴でもありますから、そこに依存し過ぎて従来の食事が疎かにならないように注意していく必要はあります。
一方、子どもが避けるべきサプリメントもあります。
一例を挙げれば、カフェインなどが配合されているサプリメントは子どもには向きません。またカフェイン以外でも、クレアチンのように機能を重視した成分に関しては、基本的には避けておくべきでしょう。まだ内臓が完全に成長しきっていないという点もありますし、筋肉の量もまだまだ少ないでしょうから、飲んでも意味がないものも多いです。
考え方としては、基本的な栄養素に近いものは摂取量に配慮しながらOKとして、それ以外の機能追求のサプリメントはNGということでいいのではないでしょうか。栄養素に近いサプリメントは、プロテイン、各種ビタミン、ミネラル、クエン酸、糖質といったあたりになります。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。