破天荒な言動とファイトスタイルで一時代を築いたミノワマンが、100㎏の大台を目指し大幅な肉体改造を行なっている。階級別、減量が主流の格闘技界にあって、なぜ時代に逆行するかのような試みに着手したのか。最終回となる今回は、ミノワマンの“今”と“これから”について。
※ミノワマン選手にならい、当インタビュー内では「気」をすべて「氣」と表記しています。
「氣持ちを整理したら一氣に体重が増え始めました」
―パンクラス退団後はブラジルなど海外で修行を積み、PRIDE、HERO’S、DREAM、RIZINなどの大舞台で活躍。そして現在に至るわけですが、今はパーソナルトレーナーとしての活動がメインですか。
「そうですね。お客さんの比率によりますけど、入る時は毎日入っています。あとは講演やセミナー、イベントなどですね」
―精力的に活動されていますが、練習時間は確保できていますか。
「昨年は少しやることが多すぎたので、一度いろいろなものを整理させてもらいました。『体重を増やしたい、試合もしたい、でも仕事もしなきゃいけない、合氣道で弐段も取りたい』と、あれこれいっぱいありすぎて氣持ちの整理がつかなかったんです。そこで10月くらいにメンタルトレーナーの方についていただいて、氣持ちを整理したら一氣に体重が増え始めました」
―どのように整理したんですか?
「まず、やりたいことに優先順位をつけました。今一番やりたいことは何かを考えた時に、まずは体重を90㎏にしたいと。それで他のことは置いておいて、トレーニングと食事だけに集中することにしたんです。トレーニングの日を週5回に増やしたら、年末までの約2ヵ月で一氣に90㎏を超えました」
―初回のインタビューで体を大きくするには理想や氣持ちの部分が大事とおっしゃっていましたが、まさにメンタル面を改善することで変わったんですね。
「心身統一合氣道も心を静めたりメンタルの部分を勉強するんですけど、心が大事だということを今はとくに実感しています。年齢が高くなるごとに、人ってやることが増えるじゃないですか。昔は格闘技でトップを目指すだけというか、やることが一つだけで単純だったんですけど、今は仕事、家族などいっぱいありすぎて、メンタルの部分の荷物が多すぎたんだと思います」