足関節(足首)を伸ばす底屈がメインとなる部位ですが、足関節の背屈、足趾の動きに関わる小さな筋肉も多数存在します。転倒防止や足裏のアーチを保つ意味でも、下腿三頭筋以外の下腿の筋肉にも着目したいところです。
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【足関節】
つま先立ちなどのように足首を伸ばす底屈の動作は、体を支えるために日常生活の大半で使われます。一方で足首をLの字に曲げる背屈動作の際には、底屈時ほど筋力を必要としないですが、歩行時の転倒を防ぐ意味でも重量な筋肉となります。
<前脛骨筋>
・トゥレイズ
座った状態で膝を90°に曲げ、床にしっかりと足裏をつけます。カカトを支点にしつつ、両足のつま先を可能な限り高く持ちあげます。前脛骨筋に刺激が入っていることを意識しながら、一回一回の動作を丁寧に行ないましょう。
【下腿三頭筋】
アキレス腱に付着する二つの筋肉で、ふくらはぎ後面のヒラメ筋と腓腹筋の総称です。ヒラメ筋は遅筋線維の比率が高く、立った状態で体が前に倒れないように持続的に働いています。一方で腓腹筋は速筋線維が多く、ランニングやジャンプなど激しい動きを伴う際の主力筋として働きます。
<ヒラメ筋>
・ベントニー・カーフレイズ
ふくらはぎの深層にあるヒラメ筋に刺激を入れるトレーニング法です。壁や台などで体を支え、膝を曲げて前傾姿勢になります。その状態をキープしたまま足首を底屈していきます。
<腓腹筋>
・スタンディング・カーフレイズ(バーベル)
真っすぐに立ち、足の小指側に意識を持っていきます。小指側で床を蹴るイメージで、足首を底屈させます。腓腹筋の外側に刺激が入っていることを確認しながら、バランスに注意しつつ足首を最大限に伸ばしていきましょう。
・スタンディング・カーフレイズ
バーベルを持つ時と同様に姿勢は真っすぐで、足の小指側に意識を持っていきます。小指側で床を蹴るイメージで、足首を底屈させます。腓腹筋の外側に刺激が入っていることを確認しながら、バランスに注意しつつ足首を最大限に伸ばしていきます。
【足趾】
足趾(足の指)の筋肉も手指ほどではないにせよ多方向の動きが可能で、筋力が衰えると足裏のアーチを維持することができず偏平足を誘発してしまいます。
<足裏>
・タオルギャザー
スポーツ選手のリハビリにも取り入れられる手軽なトレーニング法です。フェイスタオル(負荷を高めたい場合はバスタオルを使用)を床に敷き、指をつかってタオルを手前に引き寄せます。足底のアーチを保つ上でも積極的に取り入れたい運動です。
監修:岡田隆(日本体育大学教授/博士)、八角卓克(株式会社LIFE BUILDINGフィットネス総合研究所上席研究員)
実技モデル:三嶋教夫、柿夏芽、水沢充裕
撮影協力:スタジオバズーカ