大変なことほど楽しい【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第42回】

VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?  今年も残すところあと2週間。1年はあっという間ですね。今年が残りわずかとなり、ふと去年の今頃は何をしていただろう?と思って調べてみたところ、いろいろなことをやっておりました。

①フットサルの子ども向け書籍。②硬式野球の実用書。③卓球・みうみまひなのビジュアルブック。④港区のガイドブック。⑤歌手・前川清さんのデビュー50周年記念パンフレット。⑥ノンフィクションのゴーストライター。これら個人の担当分にプラスして、毎月のレギュラーで、社のみんなで制作している『月刊ローチケ』。ここに部下が担当した書籍やムックのチェックが入ってきます。同時進行でこれだけこなしていくのは、キャリア20年のベテランでも容易ではありません。思い出しても我ながらよくできたと感心します。

ノンフィクション(256ページ)の文章量は、原稿用紙450~500枚くらい。作文(原稿用紙2~3枚くらい?)と比較してもらうと、どのくらいの量なのかわかると思います。サラリーマンなので原稿だけに集中できるわけでなく、執筆は土日限定。ただし、土日はプロレスの試合やイベントが入ってきて、時間が取れないこともあります。

港区のガイドブックでは、神社やお寺、和菓子屋職人や琵琶職人、港区の名物店などを連日2~3軒取材。日頃のスポーツ取材とは勝手が違うため、予習がなかなか大変でした。そして取材をしたらその後には当然執筆が待っています。

フットサルの書籍は監修がU-20日本代表監督の鈴木隆二氏でした。鈴木氏がかなり多忙だったため、誌面確認のやりとりができるのが深夜0時から。この時期は日中に港区ガイドの取材、その後、執筆や他の書籍、ムックの校正や月刊ローチケの作業。そういえば前川清さんと糸井重里さんの対談を仕切ったりもしていました。そして深夜になってからフットサルの書籍のやりとりというスケジュールでした。

基本的に一日のうち最低20時間は稼働しています。執筆や編集の経験がない方でも、なんとなく「大変そうだな」というのはおわかりいただけるでしょうか。これだけ多種多様な制作が重なることはないにしろ、ここ数年の私の仕事はだいたいこんな感じです。

「大変」と書きましたが、実はまったく苦ではありません。むしろ全部が楽しく、毎日が刺激的でした。何が言いたいかというと、大変なことほど楽しいということ。大変なことほど、やり甲斐があるし、やった後の達成感が大きいということです。考えてみてください。大人になってから毎日「足し算の授業をやりましょう」と言われたらどうですか? 1+1は? 5+3は? 簡単すぎてつまらないですよね。できることしかやらないというのは、退屈なことです。やったことのないこと、大変そうなことにチャレンジしながら生きたほうが、絶対に楽しいし、結果にかかわらず成長することができます。やらないより、やるのです。

昨日、楽天生命パーク宮城で開催された、『スパルタンレース』の取材に行ってきました。過去にもVITUP!で紹介してきたように、このレースは5キロ以上(カテゴリーによって異なる)のコースを走りながら20個以上の障害物を乗り越えていく、“世界一過酷な障害物レース”。今回はVITUP!編集部の若手・須﨑が体験取材に臨み、私も一緒にコースを回りながら写真と動画を撮影してきました。その体験記は追って紹介いたします。

レースの舞台となった楽天生命パーク宮城

今回は日本初のスタジアムレースということもあって、スタジアムの階段を「これでもか!」と言わんばかりに上り下りを繰り返し、その間にうんてい、ロープ登り、壁の乗り越え、27㎏の重りを担いでの階段上り下りなど、障害を乗り越えていきます。当然、「大変なこと」なのですが、きつければきついほど参加者たちは、息を切らしながらも笑顔になっていきます。

レース前は不安そうな表情をしていた須﨑も、障害物を乗り越え、階段の上り下りを繰り返していくうちにだんだん“いい顔”になっていきました。全部をやり終えた後は「きつかったけど、楽しかったです」と、イケメン度30パーセント増し(編集部調べ)の笑顔で答えてくれました(その顔はリポートの際に確認してください)。大変なことだからこそ、やりきった後の充実感も大きかったのでしょう。

仕事でも、トレーニングでも、遊びでも、勉強でも、何でも同じです。「大変そうだな」と思ったら、やらないという選択肢を第一にするのではなく、乗り越えた後の楽しさ、充実感を想像してみてください。大変なことほど楽しい。大変なことほどやり切った後の充実感が大きい。きっと実感できるはずです。

 

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。