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企業研修から学校での授業まで
スポコレからスポーツの本質を伝えていきたい
――八所さんの、スポコレとしての今後の展望を聞かせてください。
八所:『世界ゆるスポーツ協会』というところと連携している話になるのですが、スポーツを通じた企業研修というのを少しずつ始めていて、それをちょっとずつ拡大していきたいなと思っています。
――企業側にはどういったメリットがあるのでしょうか?
八所:主には、チームワークとかコミュニケーションとか、リーダーシップを学ぶ研修になることですね。もちろん企業の課題によってアレンジが必要ですが、どんどん拡大していきたいです。
――事業としてやっていきたいということですよね。
八所:でも日本では、スポーツにお金を払うという文化がないんですよ。
――体育の授業のように、スポーツは無料でするものという認識が強いと思います。
八所:そこを変えて、事業化してきたいところでもあって。なかなか予算のところで躓くこともあるのですが、問い合わせや依頼は、そこそこ大きな会社からもあったりするんです。実際に行った数社からは、好評をいただいています。
――そこには日本の学校体育と、欧州のクラブスポーツ文化の違いもありますね。
八所:特に日本は、体育会が立派で、体育会じゃないとスポーツをやっているに入らない、みたいな論調もがあったりします。そういうスポーツ格差みたいなのはちょっと違和感があります。スポーツの本来の姿じゃないと。
――トップを目指す人たちもスポーツだし、気軽に楽しめるのもスポーツだということですね。
八所:オリンピックやプロを目指すアスリートはやっぱり頂点だと思うんですけど、そこから下りてくる過程で、もっともっとスポーツを楽しむ層がいてもいいと思います。自分の子供に野球をやらせていますけど、やっぱり違和感があるんですよね。学校の部活動にも疑問を持っていて。
――というのは?
八所:私個人の考えですけど、中学の運動部って本当に必要なのかな?って。部活で嫌な思いをして退部しちゃったら、二度とやらなくなるじゃないですか。野球を嫌いでやめたわけじゃないのに、すごく寂しいじゃないですか。スポコレみたいな場があれば、そういう子がきてもいいですし。体育とか部活を180度変えるのは難しいと思いますが、スポーツは楽しむものだということに対して、特に大人がちょっとずつ認識しないといけないと思います。
――スポコレのような活動が今後の日本のスポーツ界に重要になってくるように思います。
八所:ベンチャースポーツ交流会っていうのが最近あったんですけど、イレギュラースポーツをやっている方々はそれぞれ熱い想いを持っています。ただ、なかなかどうしたらいいかがわからなくて困っていて、競技人口が少ないからどうしても閉鎖的になりがちなんですね。だから、こういう場を使って、どんどんいろんな人に参加してもらって知ってもらって広めていきたいと思っています。競技間同士で、複数のスポーツをやったり、そういったスポーツを体育の授業に取り入れてもらったりとか。
――最後に、スポコレにこれから来てみようと思う人にメッセージをいただけますか。
八所:初めての人たちはやっぱり勇気がいると思います。でも、そこが僕らの腕の見せ所で。そういう人がどれだけ“来て良かった”と思えるか、徹底してやっています。そうやって定着してくれた人は、また新しく来た人がいた場合に、その人の気持ちがわかるわけじゃないですか。そうしたら同じように対応してくれる。だから初めて来る人は特に大事にしています。
――そうやって常連が増えていくといいですね。
八所:でも、その“常連感”はある意味、課題なんです。なるべくなくそうと。
――それはなぜ?
八所:常連感がありすぎると、初めて来る人は入りづらくなってしまうからです。毎回フレッシュのほうがいいのかなと。まぁどうしても常連感は出てしまうんですけどね。だから、参加者はみんなニックネームで呼び合って、実は本名がわからないくらいがいいんです。そうやって、来てくれた人がみんな楽しんでもらえたらと思います。
取材・撮影/木村雄大
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1970年1月生まれ、東京都出身。NPO法人スポコレ代表理事。一般企業で働きながら、スポコレではさまざまなスポーツイベントの開催、学校での出張授業などを行っている。
スポコレで活動の際のニックネームはヤディ。
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