カラダに効くシャンプーの極意#2 ~目の疲れをとる~




体のケアにも効くシャンプー法には、男女に共通した方法、女性の特性に適した方法、そして男性の特性に適した方法の3つのパターンがあると考えています。

男女に共通した方法は、昨今ではとくにPCやスマホに対峙するケース多いための目の疲れに対するケアであり、一方、男女それぞれの特性に適した方法というのは、まさに男女の体の性差を背景としたケアと言えるでしょうか。

今回は、男女に共通した目の輝きを取り戻すためのシャンプー法について紹介したいと思います。

背部から頭頂部を通る筋膜は、眉毛の上のおでこの位置まで到達しています。デスクワーク等によって背中を丸くし頭を下げてしまう姿勢は、その筋膜を下方に引き下げると同時に、眉毛の辺りは引っ張り上げられるということになります。いわゆる目の疲れと姿勢の特性によって筋膜には緊張が生み出されてしまうというわけです。

したがって、ケアにあたっては、この筋膜の緊張を解くことがカギを握ります。まず眼窩の部分に手のひらを当てて、約10秒間上方に向かって押し込んでいくように圧迫します(写真1)。

【写真1】

次に、手のひらをおでこの位置にずらし、眉毛を引き上げるように再び約10秒間圧迫。同じ部位を今度は眉毛を引き下げるように再び10 秒間圧迫(写真2)。

【写真2】

さらに髪の毛のほうまで手のひらを移動させ、これも上方に押し込んでいくように約10秒圧迫。続いて、同じ部位を引き下げるように約10秒圧迫します(写真3)。

【写真3】

次に、耳の上の側頭部(こめかみ)に手のひらを置き、指先の位置を変えながら中央に向かって圧迫しています(写真4・5)。

【写真4】
【写真5】

どちらにも共通しているのは、手のひら全体で圧迫することです。では、なぜ手のひらを使うかと言えば、頭部全体を覆っている筋膜は、点でとらえるよりも広い面でとらえたほうが効果的に緊張を解いていくことができるから。シャンプーは指先を器用に使ってゴシゴシ洗うのが普通ですが、そこに手のひらで圧迫を加えていく。これが私が提案するシャンプーの極意と言えるでしょうか。

また、日頃からお顔のリフトアップ!とせっせと上に上に引き上げている方も多く、引き下げるということはとても不安かもしれませんが(笑)、ぜひとも行なってみてください。頭や顔のむくみがとれて思考もスッキリすることでしょう。

なお、この方法は、ふだん気がついたときに行なっても良いことは言うまでもありません。しかし、一日の疲れを癒すための最もリラックスできるお風呂に入ったときに行なえば、効果はより高まるでしょう。シャンプーの滑りによって、もみほぐしもスムーズだし、なによりもシャンプーの際であれば、髪の毛が乱れることを気にする必要はありませんからね(笑)。

山本康子(やまもと・やすこ)

鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、コンディショニングセラピスト。施術キャリアは30年。日本代表チームのトレーナーとしてトップアスリートのボディコンディショニングを手掛けてきた。その間、約6年に渡り外国人トレーナーと共にヨーロッパなど各地を転戦した経験によって、日本にはないスピリットを強く感じ、施術テクニックはもちろんのこと、人として現在もなお進化すべく努力を続けている。2004年に、アー・ドライ治療院、2013年に筋膜リリース専門のスカンディックケアを開業。施術者の育成と労働環境整備にも力を注ぐ。

Scandic care (スカンディックケア)
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取材/光成耕司