【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第28回】進化の準備中です




VITUP!読者の皆さん、お久しぶりです。渡辺華奈です。6月のベラトールでの試合ではリズ・カムーシュ選手に敗れてしまいましたが、自分は元気です。そして痩せたいです。

今回は少し近況報告をさせていただきます。試合では2ヵ所眼窩底骨折をしてしまい、帰国後に入院をしていました。骨折のときは痛みよりも、見た目で異常を感じます。鏡を見たときに「これはやったな」とすぐにわかりました。試合直後にアメリカで病院に行って、「折れているけど日本に帰ったらもう一度病院で診てもらってください」ということで、とくに処置はなく帰国することになりました。

 

目を腫らしたまま帰国する際にトラブルに遭いました。ベラトールで用意してくれたコロナの陰性証明書に不備があり、乗継の便への搭乗を拒否されてしまったのです。結局、空港で一日滞在することになって、空港内のPCR検査を受けて陰性を証明して、やっと飛行機に乗ることができました。目が腫れていて一日も早く日本に帰りたいのに、まさか無駄に一日滞在することになるとは思ってもみませんでした。

 

帰国後は成田空港から病院に行って、すぐに入院することになりました。入院中は隔離期間なので、毎日、政府関連の方から所在確認用のテレビ電話がありました。こうしたところでも新型コロナウイルスの影響を感じます。

 

骨折の影響でしばらくスパーリングなどはできなかったのですが、1ヵ月くらい前からMMAの練習も再開しています。実はいろいろと新しいことに取り組み始めました。新しく組み技と打撃のコーチについてもらって、今までとは違う練習をするようになりました。また、フィジカル面でもクロスフィット系のメニューを週に一度は取り入れています。

 

新しいことを始めると、体的にはきつい部分はありますが、刺激があるのでやり甲斐があります。今はMMAのスパーリングは少し減らしていて、その分、テイクダウンからの組み技、打撃から組み技というようなシチュエーションに応じた練習、ドリル練習を増やしています。

 

柔道からMMAに転向したとき、すぐにデビューが決まったこともあって、組み技や打撃など、MMAに必要なものに十分に取り組むことができず、ごまかしながらやっていた部分もあると思います。試合と試合のスパンも短く、どうしても目の前の試合に勝つことが最優先になっていました。

 

目の前の試合に勝つことと、自分の地力を上げていくことは、やはり違います。目の前の試合に勝つためには、いま自分が持っている武器でどうやって勝つかということを第一に考えます。そうやって試合には勝ってくることができましたが、MMAでの地力を上げていくところまで持っていけませんでした。先日の試合で負けたこともあって、いまは自分の地力を上げたり、いろいろ穴を埋めるために見直したりするために、新たなことに取り組んでいます。

 

新しいことに加えて、実は週に一度は柔道の練習もしています。柔道力が自分の中で一番大事というか、キーとなる武器であることは変わりません。だから、そこの力は絶対に落としたくないんです。世界で一番勝てる部分はどこかと言われたら、やはり柔道力だと思うので、そこで負けるわけにはいきません。新しいことを取り入れたとしても、原点は大事にしていきたいです。

 

というわけで、自分は元気です。新たなことに取り組んで、これからどういう方向に進んでいくかはまだわかりませんが、必ず進化した姿をお見せしたいと思っています。

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW