疲れにくい体をつくるためには?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第194回は、疲れを感じやすい人に向けての栄養的なアドバイス。

■まずは疲れの原因を探る

まずは疲れの原因を探って、そこを取り除くなり改善するというのが効果的な方法です。単純に睡眠不足であれば睡眠時間を確保して、かつ眠りをコンセプトとしたサプリメントを利用するといいですし、食べ過ぎ飲み過ぎなど内臓疲労であれば整腸剤を使いながら食事を改善していく必要があります。

睡眠の場合は睡眠時間を確保していても、ストレスなどが原因で睡眠の質が落ちているケースもありますから、意外に根深い部分があったりもします。ストレスをなくせばいいのですが、それはそれで難しい問題かと思いますので、その際は成長ホルモンの分泌を促進するようなサプリメントを入眠前に使うといいと思います。

内臓疲労に関しては、私は普段はグルタミンを愛用していますが、少し内臓が弱っていると感じた場合は「強力わかもと」などを使うようにしています。指定医薬部外品なので厳密にはサプリメントではありませんが、簡単に購入できますし安全性も高いので気楽に使っていいものです。各社中身には違いがありますが、強力わかもとの場合はアスペルギルス・オリーゼNK菌がつくり出す消化酵素によって、胃腸の消化能力を支えてくれます。またビール酵母などはビタミンB群を含むので、栄養価という観点からも疲労回復に役立ちます。

それ以外でのなかなか抜けない疲労と言えば、活性酸素の可能性があります。とくに年齢が上がっていくと抗酸化能力が落ちていくので、以前は処理できていた活性酸素が処理しきれなくなっていたりするのです。ビタミンCあたりを免疫維持の効果も期待して使うといいと思いますが、ビタミンCは水溶性なので脂溶性のビタミンEをセットで飲むと、抗酸化的にはより効果があります。仮に抗酸化に焦点を当てて対応するのであれば、そこにαリポ酸あたりを加えるとかなり最強に近くなっていきます。

いったん疲れが取れてきたら、やはりトレーニングという要素をライフスタイルの中に盛り込んでいけば、根本的に疲れにくい体づくりが叶うと思います。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。