破天荒な言動とファイトスタイルで一時代を築いたミノワマンが、大幅な肉体改造を行なっている。普通であれば余分な脂肪をカットする“ハイブリッドボディ”を想像するが、彼が目指しているのはなんと100㎏。はたしてその真意は、どこにあるのだろうか。さっそく本人のもとを訪ね、話を聞いてみた。
※ミノワマン選手にならい、当インタビュー内では「気」をすべて「氣」と表記しています。
「必要なのはトレーニング、食事、睡眠、そして理想」
――なんでも100㎏の大台を目指しているそうですね。
「今年の9月か10月くらいまでに、まずは100㎏ですね。それを達成したら通常体重を100㎏以上にして、試合の時は絞って100㎏。動けるスーパーヘビー級を目指します」
――相撲などの一部の競技を除いて、基本的に格闘技は減量をして少しでも有利な状況をつくった上で試合に臨むというのが常識になっています。
「もちろん同じ体重で闘うのもキツいですが、僕の中では何かが違うんです。やっぱり僕は昔から体がデカいプロレスラーにあこがれていましたし、つねに『デカくなりたい』」という思いがありました。なんだかんだずっとヘビー級の試合を見て育って、ずっとヘビー級になりたいと思っていたので、自分の中では普通のことですね」
――少年の頃の夢がそうでも、普通であれば理想と現実を天秤にかけて現実のほうに流れそうなものです。
「そこに関してはブレることはなかったです。今も子どもの頃からのあこがれと言うか、理想を追い続けています」
――キン肉マンですね。
「はい。単行本の表紙とかを見ても、すごくカッコいいですよね」
――当面の目標が100㎏とのことですが、今はどのくらいなのでしょうか。
「通常で92㎏です。1月からあまり変動はないですが、マックスで95㎏までいきました。最近氣づいたことがあるんですが、体を大きくする上で大事なのがトレーニングと食事、睡眠です。午後10時から午前2時の間に成長ホルモンが最も分泌されると聞いたので、今は睡眠もすごく意識しています。そしてもうひとつ。僕が一番大事だと思っているのが理想です。『こうなりたい、こういう体になりたい』と思うことが重要で、僕の場合は『キン肉マンになりたい』と思うことで体重が増えました。理想という氣持ちの氣から始まって、心が動く、そして体が動く。氣、心がまずあって、その後に体、技術が生まれると思っています」
――「氣」やミノワマン選手が取り組んでいる「心身統一合氣道」についてはまたお聞きしますが、無謀という言葉が代名詞だった20代の頃とは考え方が一変しましたね。
「パーソナルトレーナーもやらせてもらっているので、トレーニングと食事についてもいろいろ見直しました。今お世話になっているB-fit麻布十番店のトレーナーにもアドバイスをいただいて食事法もだいぶ変えました」