増量するために3食の中で一番重要な食事は?【ガリガリ男子の食事を管理栄養士が分析③】




170㎝、53㎏というガリガリ体型から脱出すべく、管理栄養士の大野尚子さんに食生活改善のアドバイスをいただく本企画。前回まで2日分の食事を見ていただき、カロリー不足や栄養バランスの問題が見えてきました。その中で気になったのが、私の食事が1食丸ごとコンビニ飯というケースが多いことです。

朝は菓子パン、昼は定食、夜はコンビニのホットスナックという生活のため、昼の健康食を朝と夜で台無しにしている気がしてなりません。すべての食事を完璧にはできませんが、朝・昼・夜の3食でとくに力を入れるべき食事はあるのでしょうか。

昼食だけは健康的な食事を意識


めずらしく早起きできたこの日は、7時に「バターミルクフランス」を食べました。とてもおいしかったですが、またしても菓子パンです。いつもは自宅を出る直前か出社後に大急ぎで食べている朝食も、早起きができるとゆったり優雅な気分で食べることができます。菓子パンですが。

ランチは、13時30分に行きつけの定食屋で刺身御膳を食べました。私は魚が好きなので、定食屋に行く時は基本的に魚を選ぶことが多いです。

仕事を終えて帰宅途中の22時30分。夜ご飯としてコンビニで大好物のファミチキとミックスサンドを購入しました。ファミチキはタンパク質が多く含まれていそうですし、ミックスサンドにはハムやレタス、チーズなどが入っているので栄養的に悪くなさそうなイメージです。もっとも、ファミチキは好物を食べるためのこじつけに近いですが……(笑)。

昼に定食をしっかり食べていますが、朝と夜の食事には問題がある気がしてなりません。この場合、とくに改善すべきポイントはどこにあるのでしょうか。

朝食でしっかり栄養を摂ることで、増量の効果も上がる

食生活記録・改善アプリ「あすけん」にて栄養価を算出

「ハヤシさんは食事の極端さが気になりますね。結論を言いますと、大事なのは朝食です。私たちの体内時計は脳に親時計がある他、内臓には子時計があります。それを整えるためにも朝食は重要で、起きてから1~2時間以内に食べることで内臓の子時計が整います。朝食でしっかりと炭水化物とタンパク質を摂っていくと、翌日以降の体内時計が少し早まり、目覚めが良くなる効果もあります。体内時計が整っているほうが筋肉の合成が高まるので、朝食はとくに栄養価を意識した食事をするといいでしょう。また、体内時計が整っていないと、朝にプロテインをたくさん飲んでいても筋肉量が増えにくいので、増量するならば朝はとくに気をつかうべきです」

また、問題になった脂質について、「脂質は胃の滞留時間が長いので、夜に脂質の多いものを食べると、翌日の朝食があまり食べられなくなってしまいます」と大野さん。朝と夜の食事内容を改善して、健康的な増量を実現したいところです。

とはいえ、こんな私の食事にもいいポイントがありました。ビタミンDがギリギリ適正の量に届いていることについて聞いてみると、「昼食の魚のおかげ」との答えが返ってきたのです。魚は私の食事において、数少ないほめられるポイントのひとつだそうです。

「魚に多く含まれているビタミンDはとても大事な栄養素のひとつで、骨を強くしたり、筋肉を合成に作用する効果があります。野菜がないのが少し残念ではありますが、それでも昼食の魚はハヤシさんの命綱のようなものなので、毎日通ってもいいくらいです(笑)。昼に魚をしっかり食べて、朝と夜で野菜を補っていくといいと思いますよ」

まだまだ野菜不足・カロリー不足は否めませんが、改善に向けて希望の光が見えてきました。まずは朝食の菓子パンを卒業するところからスタートし、昼の定食は維持。夜は消化のいいものを食べて朝食に繋げるという健康的なループを目指していこうと思います。

振り返ると増量以前にとんでもない食生活を送っていた私ですが、少し工夫するだけでさらに大きく改善できることを教えていただきました。大野さん、ありがとうございました。

◆これにて編集部員への食事指導は終了。次回は締めとして、大野先生に「バランスの取れた食事の根本論」を伺います。


大野尚子(おおの・しょうこ)

食生活の相談室 食STEP代表、管理栄養士。短大卒業後、栄養士として給食会社・食品会社勤務を経て管理栄養士の免許を取得。(独)国立健康・栄養研究所にて、国民健康・栄養調査業務に携わり、全国各地での研究における食事調査を担当する。その後、特定保健指導、国立スポーツ科学センターでのトップアスリートの栄養サポートを担当。独立後はジュニアアスリートを中心としたスポーツ栄養相談・個別サポートNPO法人における生活困窮世帯に対する食育事業、高齢者介護予防事業、コラム執筆、講演活動などに注力している。