バキバキボディで出陣の営業マン「心の不調を救ってくれたのは筋トレでした」




「社会人になってから、挑戦すべきことが見えなくなった感覚がありました」

そう当時を回想するのは、SUMMER STYLE AWARD最終予選(11/26開催)でSURF MODEL部門の優勝を勝ち取った田邊勇⼈だ。堂々としたステージを見せる姿からは想像しがたいが、彼はまだ大会挑戦2回目。日頃は営業職を務めつつ、大好きなトレーニングに注力する日々を送っているという。そんな田邊がコンテスト出場を決めた理由は、働き始めてからの悩みに起因していた。

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「じつは一度、心を病んでしまった時期がありました。仕事がきついというよりは、自分の中で将来の明確な目標がなくなってしまったのがきつかったです。学生の頃はずっと野球をしていたので自分の中に核があったんですけど、自分を見失ってしまった感覚でした」

「もう一度挑戦できることがほしい」そう思い立った彼が見つけたのがボディメイクだった。野球部時代から体を鍛えるのが好きだったこともあり、みるみるうちに競技の魅力に引き込まれた。

初陣となった横浜予選(11/4開催)で優勝をはたし、その手ごたえが確信に変わる。冒頭の最終予選では2回目の栄冠を手にした彼の表情には、迷いや葛藤はもはやないように思えた。

「前回優勝したあたりから自信を取り戻せて、『これだ』という挑戦できるものが見つかった感覚がありました。今回も大会に出てよかったなと思います」

もちろん、その充実感はひとりで得られるものではない。田邊がステージに立つと観客席からは声援が飛び、躍動する彼を後押しした。聞けば地元の友人たちとのことで、コンテストを通じて周囲の温かさも感じることができたのだ。

「みんながいたから自分もがんばろうと思うことができました。本当に感謝しています」と喜びを噛みしめた。次は筋量アップの課題を己に課し、もう一段階上のステージで挑戦を試みる。

「次は今より筋量が求められるSPORTS MODEL部門に挑戦するので、そこで勝てれば本物かなと思っています。自分は心の不調を経験したのもあって、筋トレを通じて自分に自信を持てたというのが大きかったですね」

葛藤から新たな光を見つけた田邊は、これからも自分らしく挑戦を続ける日々を送ることだろう。

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