歩く・走る・跳ぶ・持ち上げるなど、普段の生活で自然に行っている動きをもとにしたクロスフィット。健康増進や競技志向など、目的に合わせて誰でも取り組めるスポーツとして人気を博している。
本企画では9月20日に開幕するクロスフィット日本一決定戦『JAPAN CHAMPIONSHIP』に向けて、注目のクロスフィッターを紹介する。第1弾はフィジークとクロスフィットを両立させ、それぞれで結果を残している京須卓雅さん。2つの競技を両立させるに至った経緯とトレーニング方法等について話を聞いた。
――クロスフィットとフィジークの今までの経歴を教えてください
「本格的にフィジークの大会に出場したのは2023年のマッスルゲート群馬大会で、初挑戦で優勝をはたしました。奇しくも2023年はクロスフィットを始めた年でもありましたが、ジャパンチャンピオンシップの予選では150~200位ほどで、上位とは大きな差がありました。それ以降、2024年にはBLACK SHIPS代々木で行なわれたイベントで、初めてクロスフィットのライブコンペティションを経験したり、フィリピンで開催された海外大会にも出場し、その年のジャパンチャンピオンシップではRXカテゴリーに進出するなど、クロスフィットに本格的にのめり込んでいきました。
2025年にはジャパンチャンピオンシップのエリート部門に出場でき、今年はフィジークではマッスルゲートスポルテック東京大会の168cm以下級で優勝しました。さらに時期が重なったジャパンチャンピオンシップ予選でも18位に入り、エリート部門で本戦出場を決めることができました」
――今回のジャパンチャンピオンシップでの目標は?
「予選は正直不本意な結果でしたが、本戦では『トップ10』を目標に掲げています」
――フィジークとクロスフィットを両立させるために、トレーニングではどのようなことを意識して取り組んでいますか?
「フィジークとクロスフィットでは、トレーニングに対する意識を明確に切り替えています。フィジークでは『筋肉をどう動かし、どこに効かせるか』を重視するのに対し、クロスフィットでは筋肉を意識しすぎると動きが硬くなるため、『動きそのもの』にフォーカスしてトレーニングしています。
一方で、スクワットやベンチプレス、ショルダープレスなどのストレングストレーニングは両競技に共通しています。現在はクロスフィットを軸としながら、双方に生かせるトレーニングを組み合わせることで両立を図っています」
――フィジークとクロスフィットでは食事の意識の仕方も違うと思います。
「食事についても『食べないのではなく、必要なエネルギーをしっかり摂る』ことを基本としています。ただしフィジークの大会が近づけば体脂肪を落とす必要があるため、脂質の高い食品を避け、食事内容をルーティン化しています。クリーンな食事を続けることを心がけていますので、結果体が軽くなり、クロスフィットのトレーニングにも好影響がありました」
――フィジークとクロスフィットが両立できると確信できた背景を教えてください。
「クロスフィット特有の技術を習得したことがあります。逆立ち歩行やハンドスタンドプッシュアップ、マッスルアップなどは習得までに時間が必要で、昨年までならフィジークとの両立は難しかったのですが、それらの技術を身に着けたことで、今年は両競技で結果を残せるようになりました。ジャパンチャンピオンシップが終わったら、今後はシーズンごとに重点を置く競技を変えることも選択肢だと考えています」
――フィジークとクロスフィットそれぞれの選手に両立させることのメリットを伝えるとしたら?
「フィジーク選手がクロスフィットを取り入れるメリットとして、『仲間とトレーニングする楽しさ』『体力向上』『トレーニングの幅が広がること』を挙げます。また、週1~2回程度取り入れるだけでも、可動域や持久力、運動能力の向上が期待できます。逆にクロスフィット選手がボディビルディング系のトレーニングを取り入れれば、筋量やストレングス向上につながります」
――今後の目標を聞かせてください。
「目指すのは、単に見栄えのいい肉体でも、単に動ける体でもなく『動けるし、脱いでもかっこいい体』です。フィジークとクロスフィット、それぞれの長所を融合させることが、自身の理想とするフィットネスの形だと考えています」


