8月15日、京都テルサにて行なわれた「オールジャパン・ジュニアフィットネス・チャンピオンシップス2026」にて、山田晃義(やまだ・あきのり)がメンズフィジークの総合優勝者となった。23歳以下の選手たちによるハイレベルな戦いではあったが、オーバーオール審査では1位満票を獲得したように、誰もが納得の勝利であろう。
山田の凄みは、その溢れんばかりの自信だと見てきた。「今の学生の名門は日体大や東海大。自分が帝京大で一番を獲る」と臨んだ学生大会では、1年時16位、2年時3位、そして3、4年時にオーバーオール連覇で見事に有言実行。良くも悪くも、ポーズをとるごとに前に出てきてしまう癖はあったが、もはやそれも自信の表れと言うべきか。表彰式で優勝が決まった瞬間に見せる『俺が一番だ』という表情は、今でも強く印象に残っている。
だからこそ。表彰式での感極まって浮かべた涙は「らしくないな」と思ったものであるが、大会後に話を聞くと、その心境を察することができた。
「やっと終わったなというか、ホっとしました。今回のシーズンはいろいろときついことがあって。祖母が少し前に亡くなり、その約1カ月後に、同じジムの友人も亡くなって。そいつとは、一緒にこのジュニアに出る予定だったので」
友人というのは、彼と同じゴールドジム溝の口神奈川で研鑽を積んできた田中祉恩。7月に急性心不全に旅立ったことが友人や親族によりSNSで知らされると、22歳という若きボディビルダーの死を惜しむ声が相次いだ。会場で配布されたパンフレットのエントリーリストには、彼の名前が残されていた。
「彼のぶんも、勝つしかなかったので」
多くは語らず、シンプルにその言葉を残した山田。昨年に消防士の試験を通過し、この秋から本格的に社会人としての歩みをはじめることになる。「来年以降は、まずは仕事ができるようになるところから。大会に出られるようなら出ようかなと思ってます」と話すように先のことは未定だが、あの堂々としたステージングで日本のフィジーク界に風穴を開ける日が来るのを待ちたい。
文・写真/木村雄大


