俳優であり、ボディコンテスト団体「SUMMER STYLE AWARD(サマースタイルアワード)」の代表を務める金子賢さん。そして、通算20回のJBBF日本選手権ファイナリスト入り(最後の挑戦で優勝)、IFBB世界選手権優勝などの記録を持つ木澤大祐さんのスペシャル対談が実現した。舞台となったのはサマスタ夏の大一番「JAPAN PRO CHAMPIONSHIP」(8月2日)。ここでは、業界を支えるふたりの言葉を前回記事に続いてお届けする。
【写真&動画】レジェンド・木澤さんの日本選手権2024ステージショット
選手の立場から大会主催者の立場へ
――選手としてステージに立つ立場と大会を主催する立場では、見える景色にどのような違いがありますか?
金子 それはもう思いが違いますからね。主催者としては一般の方たちに楽しんでいただきたいと思っています。サマスタの派手な演出、動画や写真なども大会を振り返った時「いい思い出だな」と思ってもらうための取り組みです。順位は二の次だと思いますね。自分自身、競技者として海外の大会にたくさん出ていましたが、その時も出ながら「ここの運営はこうなんだ」とか、そういうものを見るために海外の大会に出ていました。海外で選手としてがんばろうと思って出たことは1回もないです。
もちろん一生懸命やるんですけど、「サマスタにこれを持ってこよう」と。それこそ、当時はバックパネルというものが日本になかったので、僕は海外で「かっこいいな」と思って、日本でもつくりたいと思いました。そうやって、皆さんが見て楽しんでいただいて、思い出に残るものがつくれればいいかなと思っています。

木澤 選手としてステージに立つ時は、いかにお客さんに盛り上がってもらうか、自分のバトルをやり切れるかというところでした。運営になると、逆にそのステージをつくることが役割になります。いかに選手が安心して、気持ちよくステージに立てるかを考えるので、やっていることが全然違う感じですね。
――サマースタイルアワードとジュラシックカップ、それぞれの大会で大切にしていることを教えてください。
金子 今、木澤さんが言ったことも本当に大事だと思います。日本人特有ですけど、選手って自分のタイミングや時間があって、その時間が早くても遅くても多分嫌なんですよ。海外の大会だと「もう30分ぐらい前倒しになった」とか、ポージングを考えている時に「今忙しいからワンポーズで終わる」とか、それが当たり前なんですよ。
でも日本だと、みんなきっちり自分の時間でやりたいというのがあるから、運営では1分1秒を結構気にしています。「今、何分巻いてる?巻きすぎるのやめようね。みんなのパンプアップの時間もあるから」みたいな形です。あとは、出ている選手にとって一番はジャッジじゃないですかね。やっぱり公平なジャッジをするのが一番だと思います。
僕は自分でこの競技を一番見られるという自信を持ってやっています。トレーナーもやりませんし、選手も抱えていないので個人的な色眼鏡もない。ステージに出てきて、本当にいいなと思う方に輝いていただきたいと思っています。
――たくさんの海外の大会を経験されて、いいところは取り入れますが、やはり日本人ならではの大事にしたいところは守ると。
金子 もちろんそうです。

――木澤さんはいかがでしょうか。
木澤 まずはサマースタイルアワードさんと一緒で、アンチドーピングの徹底ですね。その理念は絶対に譲れないところですし、今後も崩すことはあり得ないと思います。あとはジュラシックカップの場合、ボディビルカテゴリーのみの開催になります。日本のボディコンテストにはいろいろな競技がありますが、男子だったら最終的にそこを目指していきたい、一回はそのステージに立ってみたい、という場所をつくって、そこをいかに盛り上げるかだと思っています。
特化したコンテストなので、なかなか身近ではないかもしれませんが、いずれ今日出場されている選手の方々も、ジュラシックカップという最高峰のボディビルの大会を目指して筋トレをしていくという、目標をつくってもらえたら非常にうれしいです。
金子 サマスタからジュラシックカップにも毎年刺客を送り込みます。

今後のフィットネス業界、ボディコンテストへの思い
――では続いて、今後フィットネス業界やコンテスト自体をどのように発展させていきたいですか。
金子 ありがたいことに、今はたくさんありますもんね。やっぱり自分に合った大会があると思うので、この業界全体が盛り上がってほしいと思っています。他団体さんはライバルではありますが、目指すものはフィットネスを盛り上げていくことだと思うので。うちの独自のやり方でやっていけたらと思います。
多分、最初にスポーツモデルを日本でやったのは僕だと思います。どちらかというとだいぶニッチなところですが、そこからもっと体が大きくなって、それこそジュラシックカップに出ていってもらいたい、といった思いもあります。
サマスタではかなり前から「プロ」という言葉を使い、アマチュアの方から上級者の方まで楽しんでいただける大会づくりを目指してきました。今後もそこをちょっとずつ広くしたいですし、(大会を)開催していない県もまだたくさんあるので、そういうところで「やってほしい」という声がたくさんあったら、ぜひ開催してみたいと思います。
――今年はサマースタイルワード石川大会、そして茨城大会もありますので、少しずつフィットネスの幅を広げていきたいと思います。では、木澤さんはいかがでしょうか。

木澤 金子さんの初期からの理念である「流行りじゃなくて文化にしたい」というのは、非常にいいなと思いますね。フィットネスを流行りでやめてしまう人も結構多いので、これが日本の文化として裾野が広がってほしいなと思います。コンテストに出るだけではなく、日常生活の中でトレーニングを取り入れて、フィットネス文化が本当に定着するきっかけになれば一番うれしいです。
――今大会で初めて、フィットネスと縁ができた方もいらっしゃるかと思います。ぜひサマスタやジュラシックカップも検討してみてください。では最後に本日出場しているプロ選手へのメッセージをお願いします。
金子 僕は本当に感謝です。選手がこうやって出ていただけたらすごく盛り上がりますし、それを見て「また出たい」という方がたくさんエントリーしていただけたらと思います。本当にうちの団体を選んでいただいてありがとうございます。感謝しかないですね。
木澤 今回、初めてサマスタさんのステージを見させていただいて、審査もこれからさせていただくんですけど、やっぱりプロのカテゴリーになると空気感が違うなと。知り合いじゃないファンがついているのかな、という雰囲気を直感ですけど感じています。そういうところが非常に、お客さんも楽しみなんじゃないかなと思いますね。
