体重を減らすポイントは、摂取カロリーと消費カロリーの収支。
生活の中で消費するカロリーに対し、食事から摂るカロリーが少なければ、間違いなく痩せていきます。
ただ、私の目的は健康的なダイエットであり、競技パフォーマンスを高めることなので、痩せれば何でもいいというわけにはいきません。
問題は、求める体をつくるために、何を食べるか。そこで大切になるのが三大栄養素とされるタンパク質・脂質・炭水化物の摂取割合。いわゆる「PFCバランス」です。
前回、1ヵ月目の経過を報告しましたが、体重がマイナス2.7kgだったのに対し、筋肉量がプラス0.65kgだったというのは、筋トレをがんばっただけでなく、PFCバランスがわりと良かったからだと思います。
栄養に関する知識はあまり豊富でなかったので、バズーカ岡田先生の著書などを読んでかなり勉強しました。また、実践する上では第4回で紹介したカロリー管理アプリ「MyFitnessPal」が大いに役立ちました。
最初はP(タンパク質)=25%:F(脂質)=25%:C(炭水化物)=50%で様子を見ました。1週間程度やってみて、もっと脂質を減らせると感じたので、P=35%:F=10%:C=55%に変更。しかし、脂質は多くの食品に含まれているので10%を維持するのは困難でした。そこでP=30%:F=15%:C=55%に修正。その後、筋肉増を実感するようになってからは、P=35%:F=15%:C=50%に微調整し、現在に至ります。
重さで表わすと、P=162g、F=31g、C=231gとなります。
筋肉をつけるためにはタンパク質を体重1kgあたり2gは摂ったほうがいいと言われるので、このくらいは必要。一方で、1食あたりの摂取量は30gくらいが良いとされているので、三度の食事では肉や魚をメインに90~100g程度摂るようにし、不足分を間食としてプロテインパウダーで補います。
以前は朝食はトーストとコーヒーくらいで済ませていたので、朝からサラダチキンなどを食べるのは最初は大変でしたが、慣れればそれほど苦にならなくなりました。
炭水化物は、ごはん一杯で60g程度(270カロリー)なので、231gは約4杯分の量になります。これはまったくつらくありません。
最もハードルが高いのは、脂質です。
たとえば朝食にコンビニのタマゴサンドを食べると、それだけで20g超え。1食で1日の三分の二に達してしまい、その後の昼食や夕食のチョイスに大きな影響を及ぼしてしまいます。
あるいは、3食のうち2食を外食や市販の弁当に頼ると、どんなに脂肪の少ないメニューを選んでも、30gなど簡単にオーバーしてしまいます。
結果的に、必要なものを摂り、いらないものを省いていくと、こんなシンプルなメニューになったりします(これに加えて玄米ごはんやおにぎりなど)。↓
ボディビルダーの方々が胸肉やブロッコリーをタッパーウェアに入れて持ち歩いているのを見て、以前は「そこまでストイックにやらなきゃいけないのかな」と思っていましたが、同じ目的をもつと、そこに自然に近づいていくことがよくわかりました。
もちろん私の場合は、ビルダーの皆さんほどストイックではありません。ただ、アプリで毎食のカロリーや栄養素をチェックしていると、一種のゲーム感覚が生まれます。
「タンパク質、あと15g。なに食べようかな」
「脂質オーバー。明日はがんばろう」
「これ食べてカロリーオーバーしないかな・・・(アプリ入力)・・・ラッキー! 超えなかった」
「今日は運動したから200キロカロリー多く食べられるぞ」
「カタボる!(カタボリック=エネルギー不足により筋肉が分解されてしまうこと)。おやつ食べよう」
といった感じでやっていると、楽しくなってきます。
結果を出すための最善の方法は、ゲームや娯楽にしてしまうこと。遊びほど人は真剣なり、テンションも上がるからです。
好きなものを食べる回数は以前より減りましたが、食事という行為そのものが好きになりました。
文/本島燈家