ナッツを食べるメリットは?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第146回は、一般的にヘルシーなイメージのあるナッツの魅力について。

■高タンパク低糖質に加え、食物繊維も豊富

私も減量の時は何種類かのナッツを持ち歩いて、限られた間食として愛用していたことがありました。とくに空腹時に食べることもあってか素焼きでも十分においしく、満腹感もあるのでとても重宝した記憶があります。

ナッツは栄養価が高いので、食べ過ぎさえ気をつければダイエットの際にも活用できる食材です。高タンパクで低糖質という基本に加えて、食物繊維が豊富なので血糖値の上昇も抑えてくれます。また微量栄養素も豊富です。とくにビタミンB群とEを含むナッツが多いので、疲労回復や抗酸化、血行促進などの効果も期待できます。

くるみには、ω-3系不飽和脂肪酸であるαリノレン酸が多いので、貴重なω-3系の供給源とも言えます。またアーモンドは一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が豊富で、何と言ってもビタミンEの宝庫です。一般的には、アーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピーナッツ、マカダミアナッツなどになるかと思いますが、何かひとつを決め打ちして食べるのではなく、ミックスナッツの状態で食べるほうがいろいろな栄養素が摂れていいのではないでしょうか。

注意点もあります。やはり脂質も多く含まれていますから、過剰に食べてしまうと当然太りますし、ダイエット効果には逆行してしまいます。空腹か否かとは関係なく、食べ始めるとついつい手が出てしまい止まらなくなりますので、大きな袋のまま食べるのではなく、一回分は手のひらに少し乗せる程度(十数粒程度)だけを出して後を引かないようにしたほうがいいでしょう。

また油で揚げたり塩を振りかけたりと、よりおいしさを引き立てる工夫がされている商品もありますが、仮にダイエットやボディメイクを意識しているのであれば、素焼きの味つけなしのものを選ぶべきかと思います。上手に活用すれば、ダイエット時には最高のお供になってくれると思います。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。