11月14日は「いい○○の日」だけではない【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第187回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

 

11月は語呂合わせから「いい○○の日」が、とても多いことでお馴染みです。本日、11月14日は「いい石の日」と「いい樹脂の日」。なんだかよくわかりません。そしてもう一つ、11月14日は「いい○○」以外に「世界糖尿病デー」にも定められています。

 

この記念日は、インスリンを発見した、カナダのフレデリック・バンティング医師の誕生日が、11月14日であることに由来します。もともと、国際糖尿病連合と世界保健機関が定めていた記念日ではありましたが、2006年に国連で「糖尿病の全世界的脅威を認知する決議」が採択され、合わせて「世界糖尿病デー」が国連の記念日として認定されたというわけです。

(C)Ruhul-stock.adobe.com

 

子どもの頃、祖母が糖尿病と聞いたとき、その文字から尿が砂糖みたいに甘くなるのは何が問題なんだ?と思ったことがあります。また、最強レスラーとして活躍していたアントニオ猪木さんも糖尿病だと聞き、祖母は猪木さんと同じ病気と闘っているのか!と変な興味を抱いたことが記憶に残ります。

 

そもそも糖尿病とは、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖)が慢性的に高くなる病気のことです。基本的に誰でも食事をすると血糖値は上がります。そして血糖値が上昇すると膵臓からインスリン(ホルモン)が分泌され、肝臓や筋肉でブドウ糖をグリコーゲンと呼ばれるエネルギー源に変換し、脂肪組織では脂肪として蓄える仕組みが作動します。この仕組みによって、普通の人の血糖値は食事をしても一定に保たれているのです。

 

ところが糖尿病になると、インスリンの分泌量が減少したり、働きが弱くなったりすることで、血糖値が高い状態が続くようになります。太ったおじさんが「血糖値が高い」と言っているのを聞いたことがある人もいると思いますが、まさにこの状態です。これが長期間に及ぶと全身の血管に障害が起こるようになり、重症化すると失明、腎不全、あるいはさまざまな合併症を引き起こすリスクも高まります。「おしっこが砂糖みたいに甘くなる」なんていう、カワイイものではなく、とても怖い病気なのです。

 

糖尿病の原因は高脂肪・高カロリー・食物繊維不足といった食生活の乱れ、あるいは運動不足、睡眠不足、そしてストレスや喫煙習慣などがあげられます。高脂肪、高カロリーのものばかり食べて運動をしない人……太っている人はとくに注意が必要な病気と言ってもいいでしょう。

 

この糖尿病の一番の予防策は、間違いなく運動です。激しい運動をする必要はありませんが、最低でも週に1回は1時間以上の運動をすること。運動が日常化すれば、ストレス発散にもなりますし、体が疲れれば質の良い睡眠にもつながります。食べ過ぎてしまう、あるいは喫煙やめられないという人でも、運動をしっかりやっていれば、糖尿病のリスクをある程度は軽減することはできると思います(暴飲暴食と喫煙はなるべくやめたほうがいいですが)。

 

11月14日が「世界糖尿病デー」ということで、今回は糖尿病について書かせてもらいました。佐久間家は前述した祖母だけでなく、基本的に糖尿病家系であり、体質的な遺伝を考えると、普通の人よりも神経質になるべきだと考えてケアしています。運動をしていて悪いことはないので、こうした何気ない日が運動のきっかけになってもらえればと思う今日この頃でした。

おわり。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。