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大晦日決戦を制した堀口恭司の強さの秘密 「自分は筋トレをあまりしていません」

昨年の大晦日、格闘技の祭典「RIZIN.26」で朝倉海選手にリベンジをはたした堀口恭司選手が、1月7日、オンライントークイベント「Memolete Live」を開催した。このイベントは、会場とZoomを使用したオンラインでつなぎ、大晦日決戦を本人が振り返るという内容となった。

大晦日決戦で朝倉海選手を倒してRIZINバンタム級王者に返り咲いた堀口選手

司会の武裕美アナウンサーの紹介で登場した堀口選手は、新型コロナウイルス感染予防のため仕切られた席に座った。

柵で仕切られた会場はファンとの距離が空いていたためか、「なんだか動物園みたいで嫌ですね」と嘆いた。だが、常連のファンを見つけると、「いつも、ありがとう」と気さくに声をかけ、和やかな雰囲気でイベントがスタートした。

メインの話題は、朝倉海戦の試合内容に。本人が、勝敗の鍵を握ったカーフキック(ふくらはぎへの蹴り)について解説した。

「前回の対戦(2019年8月18日、RIZIN.18)で自分が負けた時は、体調が悪くて早く勝負を決めるために動き過ぎて、カウンターをもらってしまいました。だから今回は、セコンドから『焦るな』『いくな』と指示が飛んでいました。

対策は3、4パターンありましたが、プランAはパンチで距離を詰めて寝技で勝負、プランBはカーフキックで崩していくことでした。そして相手の出方を見て、プランBにしました。あの蹴りは、ローキックに比べて距離が近くなります。プレッシャーをかけて距離を詰めていったので、海君は面食らったんじゃないでしょうか」

今回は、前十字靭帯断裂と半月板損傷からの1年4ヵ月ぶりの復帰戦。そのケガをした足でカーフキックを蹴った。その真意を問われると、「たしかにケガをした足で、蹴りにいきました。でも自分のヒザは100%に近い状態まで戻っていたので」と、自分を信じていたことを明かした。

トークイベントは、会場とオンラインのふたつで同時進行

現在はアメリカ・フロリダ州に在住しているが、早めに帰国して2週間の隔離生活を実家で過ごしたと言う。「時差ボケも取れて、かえってよかったです」と前向きにとらえていた。

試合前のルーティンに関しての質問が飛ぶと、「やることはふたつあって、墓参りと神社の参拝は欠かしません。アメリカにいる時はできませんので、気持ちで拝むようにしています」と絆の大切さを何よりも重んじていることを明かした。もちろん故人には、師匠の山本“KID”徳郁さんも含まれていることだろう。「周りの人が喜んでくれる姿を想像して、モチベーションを高めています」とも話しており、感謝の気持ちが強さの原動力になっているようだ。

朝倉選手とのリマッチが浮上していることに対しては、「もうちょっと(間隔を)置きたいですね。盛り上がるカードがなくなってくるし、自分もやることがあるんで」と否定した。堀口選手は、1月中を休息に充てて、4、5、6月くらいに試合をする計画があるようだ。噂されているのが、返上したBellator世界バンタム級王座への挑戦。同級王者のフアン・アーチュレッタと対戦が実現することになれば、大きな話題となるはずだ。

世界を舞台に、さらなる飛躍が期待される堀口選手に、最強ボディの作り方を質問すると、意外な答えが返ってきた。

「自分は、そんなに筋肉隆々ではないですし、筋トレをあまりしていません。反応する目、予測が大切だと思っています。そのための練習を重視しています」と堀口選手。日々のトレーニングの積み重ねが、鍛え上げられた最強の肉体を作り上げているのだろう。

「自分は、あまり練習と試合を区別していません。すべてが日常という感じで過ごしています。試合前も緊張しないので、RIZINのオープニングで髙田(延彦)さんが出てきた時に笑いそうになってしまいました」とトークイベントならではのこぼれ話も飛び出した。

ちなみに格闘技ファンが注目する那須川天心と武尊の勝敗予想については、「今は予想が難しいですね。勝負に100%はないので。でも今は、天心君が上かな。勝率60%くらい。武尊選手は、いつも前に出てガンガン勝負するんですけど、反応がいいので見合うことが多くなると思います。見合った時は、天心君が仕掛けるのがうまいので、彼のペースで試合が進むのではないかと予想します」とコメントした。

イベントの最後は、サイン入りキャップと試合で使ったバンデージのオークションが行なわれたが、額が上がるごとに堀口選手が「無理しないで」と気を遣う場面も。強くて優しい姿を見せた堀口選手。これからも彼のファンが増えていくことは間違いない。

朝倉海戦で使用したバンデージ、非売品のキャップがオークションに出された(ともにサイン入り)

なお、今回の収益の一部は、一般社団法人スポーツインフィニティが運用する「すべての子どもにスポーツ基金」に寄付される。

 

取材・松井孝夫
協力・AthReebo株式会社