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大会に向けて減量して体が仕上がってくる感覚は格別【ジュラシック木澤のトレーニング哲学vol.03】




なぜ人はトレーニングを行うのか?日本を代表するボディビルダーの1人、“ジュラシック木澤”こと木澤大祐さんに尋ねる本連載「ジュラシック木澤のトレーニング哲学」。連載第3回目は、ジムに足を運ぶ人たちに向けた、木澤さんからのメッセージを。
●第1回は→こちらから
●第2回は→こちらから

――これからトレーニングを始める人や、大会出場を目指すほどではないけれども、ちょっとジムに行ってみようかなという人達には、どういった姿勢を求めますか?

木澤 体じゃない部分の問題、例えばストレス発散だとか、仕事で抱えた悩みだとか、人間関係の悩みだとか、体を動かすことで、結構解消できると思うんですよね。ホルモンバランスが崩れている方とか、こもりがちな方とか、そういう方は、体を動かすことで、いわゆる幸せホルモンというか、そういうものを自分で出させることができるんですよね。終わったあとの満足感は、トレーニングならではの格別な至福の時なので、一般の人でも体験して欲しいなと思います。マラソンで完走すると、涙流したりするじゃないですか。トレーニングって、毎日がそういう感じですよね。自分で決めたメニューを自分でこなすこととか、本当に、自分と向かい合える、究極の要素だと思います。バランス良く自分と向き合えるのかなと思いますね。男性だったら筋肉が付くことで、女性だったらダイエットや綺麗なボディーラインをつくることで、自信がついて、性格などいろいろな面で向上すると思います。本当に人生変わるんじゃないですかね、トレーニングというもので。

――木澤さんご自身に、マラソンという選択肢はなかったのですか?

木澤 なかったですかね。どんな競技でも、やりだせばハマると思うんですけど、手っ取り早くできたというのが、一番の理由ですかね。トレーニングは、やったことない人でも、すぐできますからね。

――家庭の事情や仕事の都合で、何かを断念してしまう人がいます。個別の事情があるので単純化はできませんが、本当にやめる必要あったのかとか、木澤さんから見てどう思いますか?

木澤 弱さが出ちゃいますよね。それを言い訳にして、やめるきっかけにしようかなって。なんとか続けて欲しいな、というのもあります。僕もありましたよ。こんな環境なので、他の選手と比べて圧倒的に不利だから成績が悪くてもそのせいにしちゃうとか。辛いときは、時々そう思いましたね。

――なぜ踏みとどまれたのですか?

木澤 ここでやめたらおしまいかな、というのがありましたね。「来年もう1回出たら、ひょっとしたらいけるんじゃないか」と、いい意味の勘違いなんですけど、毎回出るんですよね。もう1年やってみようかって。僕は長い目での競技計画を立てていないんです。しっかりと計画立てる方、いらっしゃるじゃないですか。3年後にこれを取って、5年後にここで優勝して、とか。ああいうのが全くなくて、本当に環境が環境だったので、その年に全力でやってみて、もう無理だと思ったらやめようという気でやっていたんです。なので、終わればもう1回やってみようかなって、それの繰り返しで来ています。

――やはり、大会の存在は大きいのですね。

木澤 そうですね。大会がなくても、勿論トレーニングはしますけれど、大会1か月前ぐらいの、減量して体が大分仕上がってくる、あの感覚は格別ですよね。大会あってこその感覚です。今では、本当に減量が楽しいというか。今年はコロナで、ゲストポーズ出演のために少し減量しましたけど、大会出場はありませんでした。そう考えるとつまらない1年だったなと思います。

――そういう恍惚感が得られない、他競技であれば、試合の場がない選手が多くいます。そうした人たちへのアドバイス、何かありますか?

木澤 若い世代だったら逆に、研究できる機会だと思います。大会がないので、ちょっと大きなことにチャレンジしたり、ちょっと練習に変化をつけたり、そういうきっかけになると思います。僕らの年代ですと、怪我をして、再起不能になり復帰できませんでした、みたいなことになりかねません。ですが、若い世代にとっての1年なんて、僕がその立場にあったら、むしろ嬉しかったかもしれません。1年大会がないのであれば、減量しないでいいからパンプアップしよう、といった感じで。

取材・文/木村卓二 写真/木村雄大

木澤大祐(きざわ・だいすけ)
1975年1月9日生。20代から30代にかけての約15年間、肉体労働とトレーニングの両立という過酷な日々を過ごす。日本屈指の筋量を誇るバルク派ビルダーとしての地位を築き、現在はJURASSIC ACADEMY代表。ニックネームは「ジュラシック木澤」。
【主な競技戦歴】
2004年ジャパンオープン選手権優勝
2007年・2019年日本選手権4位
2014年・2015年・2019年日本クラス別選手権85kg級優勝
【JURASSIC ACADEMY】
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