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世界最高!? モスクワの極上ジム CROCUS FITNESS<前編>




世界各国のジムを紹介する本連載、「世界のジムから」。
記念すべき最初のジムに選ぶのは、モスクワの『CROCUS FITNESS ПЕРВЫЙ』。個人の感想ではあるが、これまでに訪問、利用した世界のジムの中で、機材設備の充実度、利用後の満足感において、筆者が世界屈指、否、最高と評価するジムである。

筆者がこのジムを訪問したのは2018年、FIFA W杯ロシア大会の期間中のこと。宿泊していたモスクワのホテルにはジムが併設されており、朝から利用できることもあって、最低限のトレーニングは、問題なくできていた。だが、いつしか、他のジムも利用してみたいという欲求が沸き上がってきた。そこで選んだのが、今回紹介するCROCUS FITNESS ПЕРВЫЙである。

FIFA W杯のメイン会場となったルジニキ
モスクワの中心地「赤の広場」

向かったのは、地下鉄ミャキニノ駅。駅に近接するショッピングモール内に、CROCUS FITNESSがある。筆者はロシア語話者ではないため推測の域を出ないが、CROCUS FITNESSは同名グループの所有のようである。ジムがあるモール自体に、英語のCrocusにあたる、キリル文字のКрокусの名が冠されている。

ショッピングモール VEGAS Крокус Сити

フロントで利用手続きをし、ロッカーで着替えると、消費カロリーが記された階段を通過する。


東京であれば、東急ハンズや、ゴールドジム原宿ANNEX店で目にする光景だ。
その階段を抜け、最初に足を踏み入れるのが、このエリア。

ここだけでも、充分に広いスペースが確保されている。アメリカにはメガジムが数多く存在し、日本にもかなり広い敷地面積を有するジムがある。それらに比べると狭いという印象を持つかもしれないが、このスペースはCROCUS FITNESSのほんの一部である。

後述するが、他のエリアやスタジオもあり、全体では、アメリカのメガジムにも劣らないスペースが確保されている。また、敷地面積の広さは、CROCUS FITNESSの一面であるに過ぎない。

マシンの大半はLife Fitness社製品。性能の高さにおいて、抜群の信頼を誇る世界有数のメーカーの1つである。日本でも、ゴールドジムなどにおいて数多く導入されているが、CROCUS FITNESSに並ぶLife Fitness社のマシンには、他では見たことのない機能が搭載されていた。

光の関係で見づらいが、上がレップ数(反復回数)、下が運動開始からの経過秒数の表示である。1セットあたりの継続時間は、メニュー設定の重要な構成要素の1つ。このカウンターがあるのは、極めて有意義だ。

かつて、マドリードのとあるホテルに宿泊した際、併設されたジムで同様のカウンターが備えられたマシンを使用したことがある。だが、ほぼ全てのマシンに標準装備というジムは、初めての経験である。

また、このマシンの電光、時間の経過と共に、色が変わるのだ。

清潔度、レイアウトや雰囲気などは、設備の充実度とともに、ジムの評価を左右し、ジム選びに関わる大きな要素。電光が施されているマシン自体を初めて見たが、しかもその色が変わることに驚かされ、また、何とも得したような、楽しい気分になった。

こんなちょっとした「アトラクション」は、思わずSNSに投稿したくなるような要素であり、会員ならば、我がジム自慢の特色の1つとなることだろう。

高重量のダンベルなど、フリーウエイトも充実し、ハードに追い込むことが可能。軽いダンベルしかないなどといった不満を抱くことは、まずなさそうだ。

オリンピック競技の重量挙げをベースとするトレーニングのカテゴリーであるリフティング。爆発力や全身のコーディネーション能力などを養うのに有効なトレーニングではあるが、バーベルを落とす局面があるため、専用のプラットフォームがない環境では、思い切り行うことができない。

CROCUS FITNESSには、リフティングプラットフォームもあれば、デッドリフトのボトムポジション強化などに使えるステップも用意されている。パワーラックはHAMMER STRENGTH社製。これまた評価の高いブランド製品だ。

ラットプルダウンのケーブルマシンやデュアルケーブルマシンなど、各種ケーブルマシンも当然設置されている。


ある場所に置かれたデュアルケーブルマシンの付近の床には、こんなものが描かれていた。

ウエイトトレーニングとは、重力に逆らうものだが、地球や月や土星などが登場、平均公転半径とおぼしき数字が記されるなど、流石は人類史上初の宇宙飛行士ガガーリンを輩出したロシア、意識が高い。

そう、ここはロシア。当然、ケトルベルも並んでいる。

カーディオマシンもズラリと並ぶ。当然の如く、全機モニター付きだ。

以上のように、設備の充実度は、かなり高い。
だが、このスペースは、言わば「一般」ジムエリア。更に施設内の奥に進むと、いくつかの「専門」エリアが出現する。その充実ぶりが、ここCROCUS FITNESS ПЕРВЫЙの特色を際立たせ、評価を際限なく高めている。

詳しくは次回、後編にて紹介する。

 

CROCUS FITNESS ПЕРВЫЙ
住所:66-й км МКАД, ТРК Вегас Крокус Сити, ст. м. Мякинино
営業時間:月~金06:00~24:00(?)/土日08:00~24:00(?)
Tel: +7 (495) 236-11-00
E-mail: info@crocusfitness.com
HP: http://crocusfitness.com/
Facebook: https://www.facebook.com/crocusfitness/
Instagram: https://www.instagram.com/crocusfitness/
vk (ВКонтакте): https://vk.com/crocusfitness

 

取材・文/木村卓二(きむら・たくじ)

本業はTVディレクター。複数言語に通じ、ラグビー日本代表スクラムコーチ通訳(フランス語)、ラグビーW杯Broadcast Venue Manager、FIFA W杯Broadcast Liaison Officerなども歴任。世界各国のStrength & Conditioningコーチに感銘を受け、究極のトレーニングを求め、取材と研究に勤しむ。認定フィットネストレーナー資格を持ち、格闘家などへの指導も行なっている。