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脱ロボット化と筋トレ効果アップにストレッチ【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第168回】

VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? トレーニング終わりの汗がひかない季節となってきました。普段は勤務時間前にトレーニングをしているので、シャワーを浴びても汗が出てくるのは結構困ります。

 

さて、勤務前のトレーニングというと、時間が無限にあるわけではありません。そのため、トレーニング前後のストレッチがどうしてもおろそかになりがち。しっかりやらなければと思いつつ、時間短縮のため軽く動かしただけでトレーニング開始となってしまいます。

 

運動の前後にストレッチはとても大事です。ただし、ストレッチそのものは運動とは言い難いものです。運動に関する厚労省のアンケートで日々の運動として「ストレッチをやっている」と答えている人が一定数いましたが、ストレッチは運動強度で言うと2~2.5METsメッツ程度であり、散歩(3.5METs)よりも強度が低いのです(安静状態が1METs)。つまり、ストレッチをしたからといって、心肺機能が高まったり、筋力が上がったりということはありません。日常の生活活動よりも運動強度が低いため、ストレッチを運動にカウントするのは難しいと言えます。

 

しかし、運動ではないとしても、運動をする人にとってストレッチは欠かせません。運動経験者の方はわかると思いますが、技術や体力以上に柔軟性は落ちるのが早く、少しやらないだけであっという間に体は硬くなります。私自身、レスリングの選手だった時代は、体が柔らかく180度開脚して胸とお腹を床にペタリとつけることができ、体を反らせて頭と足をつけるのも容易でした。それほどの柔軟性を持っていたのに、今ではロボットのような硬さになってしまっています。

(C)Kzenon-stock.adobe.com

 

柔軟性がないとケガをしやすくなることは、誰でも理解できます。それと同時にパフォーマンスアップの面でもストレッチは重要なのです。先日、別件の取材で全日本パワーリフティング選手権5度優勝の荒川孝行さんにお話をうかがう機会がありました。その際、荒川さんもウエイトトレーニング前のストレッチの重要さを説いておりました。

 

トレーニング前に有効なのは、座ったり寝たりした状態で行なう静的ストレッチよりも、体温を高める効果が期待できる動的ストレッチです。動的ストレッチって何をやればいいの?という方に一番わかりやすく、誰もが経験したことがあるもので説明するなら、ラジオ体操です。古くから運動前の準備体操として取り入れられているのは、それだけ効果があるという証明です。筋肉と関節を同時に動かすことで全身の協調性が高まると、筋トレをする際のパフォーマンスアップが期待できます。

 

単純に考えて何もしないままバーベルを持ち上げるよりも、体が温まって動きやすい状態で持ち上げたほうがいいことは明らかです。ストレッチというと、筋肉を伸ばすイメージがありますが、動的ストレッチは筋肉の緊張をやわらげる効果もあるので、取り入れるなら運動前。荒川さんからその有効性を改めて聞き、今後はもう少し積極的にストレッチをやっていきたいと感じました。

 

トレーニング前の動的ストレッチはもちろん、ロボット化してしまった体に柔軟性を呼び戻すことを考えると、静的ストレッチも外せません。いきなり改善することはないので、これは地道にやっていくしかないでしょう。現役時代のように……などぜいたくは言いません。せめてロボットから脱却できるようにコツコツ取り組んでいきます。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。