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食前、食後、薬を飲むタイミングが違うのはなぜ? 【ドクター長谷のカンタン薬学】




しかし、仕事の関係で食事をする時間が不規則という方もいることでしょう。食事のタイミングに合わせると、間隔が長すぎたり、あるいは短すぎたりするとなると、いろいろと問題が出てきます。

薬は一日2回のものもあれば3回のものもあります。服用間隔は、体内における薬の濃度を有効量の範囲に保つように決められています。そのため、投与の間隔が長すぎると薬の効果は失われ、逆に間隔が短すぎると濃度が高くなりすぎて、効果だけでなく、毒性、副作用が出てくる危険があります。

原則的に多くの薬はセーフティーマージンが広く設定されているので、すぐに副作用が出ることはないと思いますが、気になるようでしたら薬剤師、医師に相談してみてください。また、忙しくて食事の時間がないとしたら、おにぎり一つ、あるいはバナナなど、ちょっとしたものでも食べるようにして、薬を飲むようにしたほうがいいでしょう。

一般的に飲み薬が吸収された後、肝臓を通過して血液中に入り効果を発揮するまでには、15~30分程度かかります。薬を飲んだ時にすぐに効果が出ないからといって、続けて飲み足したり、違う薬を飲んだりするのは危険なので、絶対にやめてください。


長谷昌知(はせ・まさかず)
1970年8月13日、山口県出身。九州大学にて薬剤師免許を取得し、大腸菌を題材とした分子生物学的研究により博士号を取得。現在まで6社の国内外のバイオベンチャーや大手製薬企業にて種々の疾患に対する医薬品開発・育薬などに従事。2018年3月よりGセラノティックス社の代表取締役社長として新たな抗がん剤の開発に注力している。
Gセラノスティックス株式会社