日本進出をはたしたUFC GYM。最先端スマートジムのビジョンに迫る(後編)




データの活用や分析、会員とのコミュニケーションを重視することで質の高いサービスを提供しているUFC GYM。後編では、前編に続いて用賀店のGENERAL MANAGERのダレル・ハリスさんを直撃し、(※協力・石文朋子さん)、総合格闘技「UFC」とのつながりやジムが掲げる3つのビジョン、独自のトレーニングメソッドを語ってもらった。

3歳から100歳まで、一生トレーニングができるサービスを提供していく

――後編の今回は、具体的なトレーニング内容を教えてください。トレーニングエリアの壁には「Train Different」「Learn Different」「Be Different」と、3つの言葉が刻まれていますが、これらはどのような意味があるのでしょうか。

ハリス:当ジムのコンセプトですね。とくに「Train Different」は世界各店舗に共通するビジョンになります。

――日本語で訳すとしたら、どういう言葉になるのでしょうか。

ハリス:今までにないトレーニングですかね。

――斬新さでいうと、ジムの名称にもある総合格闘技「UFC」とのつながりもあるのでしょうか。

ハリス:UFCアスリートと同じトレーニング環境をどなたでも体感することができるところですね。ラスベガス、上海には「UFCパフォーマンス・インスティテュート」というトレーニングセンターがあります。日本で例えるなら、「味の素ナショナルトレーニングセンター」のようなトップアスリートが集う施設です。ここで実践されているトレーニングから得られるデータをもとに、最先端のトレーニングメソッドが生まれています。そして、世界の各店舗は共有されたノウハウを採り入れ、質の高いサービスを提供することができています。

――それはすごいですね。ジムの環境面でいうと、スタッフの方々も重要なピースだと思います。

ハリス:そうですね。お客さまとの信頼関係が大切になってきますので、指導を行なうスタッフは、本部監修の厳しいトレーニングを受け、試験に合格した者に限られます。また、UFC GYMでは、ヨガなどの健康づくりに加え、ボクシングやブラジリアン柔術など格闘技のクラスが設けられており、これは世界共通のシステムになっています。用賀店では、元K-1ファイターの堀啓氏がキックボクシング、国内外の大会で実績があるグラント・ボグダノフ氏がブラジリアン柔術のクラスを担当するなど、各競技のアスリートが参加者のスキルや目的に合わせてレッスンを行なっています。

――100店舗以上展開しているアメリカでは、UFCファイターがジムに携わることもあるのでしょうか。

ハリス:ありますね。とくにオーナーとして店舗を経営されている方が多いです。2012年に、元UFC世界ライト級・ウェルター級王者のBJ・ペン氏がホノルルに出店したのを皮切りに、元UFCライト級王者のフランク・エドガー氏など、数々のトップ選手がジムの経営に関わるようになりました。セミナーなどで得意競技の指導を行なうこともあるようです。今後日本でも、UFCアスリートが携わる可能性はおおいにあります。

――夢がありますね。

ハリス:はい。格闘技の普及も我々のテーマのひとつです。ただ、私たちが大きなターゲットとしているのは家族です。3歳から100歳までのお客さまが一生トレーニングできるようなサービスを提供できるように努めています。決して格闘技だけではなく、柔軟から栄養管理までサポートさせていただき、みなさまに長くUFC GYMのコンテンツを使ってもらうことが理想です。また、継続するためには、飽きないようにする工夫が必要です。中にはヨガやピラティスからスタートして、ボクシングやキックボクシング、ブラジリアン柔術などの格闘技クラスに参加する方もいます。データを見てコミュニケーションをとりながら、目指している目標にたどり着けるようにサポートしていく。この流れはまさに「Train Different」を体現していると思います。

――年齢関係なくチャレンジできるトレーニング環境とスマートジムならではのデータ管理が最大限活かされているのですね。

ハリス:2つ目の「Learn Different」はさまざまなことを学んでいくという意味があります。私たちは世界で成功するために必要な要素として、健康な体と英語のスキルが非常に大事だと思っています。

――健康な体はジムでトレーニングをしていけば手に入りそうですが、英語のスキルは……。

ハリス:現在のコロナ禍を見ていても、いろいろな情報が存在し、元は英語で発信されているものがほとんどですよね。世界的なトレンドもそうですが、言語がわからないと正しく理解することができません。ですので、用賀店では、グローバルな活動に必要である英語学習のサービスも提供しています。

――ジムで英語を学べるのは画期的ですね。

ハリス:データを活用するのが我々の特徴だと思います。脳科学に関してもリサーチをして、効果的に英語を学べるような工夫をしています。脳も筋肉のように収縮をしていて、たくさん動かすことで機能は上がっていきます。運動をすれば、脳の神経が活動するので学習効果も向上するということです。そこで生まれたのが、アディショナルイングリッシュレッスンです。ベースはフイットネスでその後に英語学習。また、学校で学ぶような教科書通りの英語ではなく、日常生活で問題なく会話できるようになることを目指しています。ジム内の公用語を英語にしているのも同じ考えからです。もちろん、日本語のサポートはできますので、楽しみながら意欲を持つことが大切ですね。

――トレーニングに英語学習、どちらもデータに基づいた理論から生まれた方法で取り組めるので、効果的な成長が期待できそうです。

ハリス:そうですね。「Train Different」と「Learn Different」のビジョンで活動していくことで、人それぞれのユニークさが生まれてきます。我々のプログラムで自信を身につけていただいて、個性を持った魅力的な人に成長していく。3つ目の「Be Different」のビジョンが見据えているのは、人間形成の部分です。

――自分に合ったチャレンジを継続することで得られる報酬ですね。

ハリス:それから、UFG GYMで大切にしているのがコンディショニングです。当ジム独自のトレーニングであるDUT(Daily Ultimate Training)は、コンディショニングを中心としたメニューとなっています。

――DUTでは、具体的にどのようなことをやるのですか。

ハリス:日によってやることは変わっていきます。重要視しているのは体全体に効かせて己を追い込むことですね。限界に近いところまでいくので、はじめて参加した人は驚かれることが多いです。ただ、最後までやり抜けるような仕組みになっています。気力が必要なメニューですが、あまり筋肉痛にはなりません。これはトレーナーが参加者のレベルや目指すゴールを見て、それぞれ調整しているからです。DUTエリアに設置されているモニターは、メンバーのバンドと連携されていて、心拍数などのデータが表示される仕組みになっています。これにより人それぞれに合ったメニューを構築することが可能です。忍耐と根性、集中力を安心して効率よく鍛えられるDUTは、ワンランク上のコンディショニングを整えることが可能な最先端のトレーニングだと思います。

ハリス:人間にとって健康は大切なことで、大きな需要があると思っています。そういう方々により良いサービスを提供するため、これからもTrial and Errorを続けていきたいと思います。我々には「Train Different」「Learn Different」「Be Different」のビジョンがありますので、心配はないです。入会を考えている方は、まずは体験していただき、一緒に目標を決めていきましょう。どなたでもウェルカムです!

UFC GYM 用賀
住所:〒158-0096 東京都世田谷区玉川台2丁目22−20 イイダアネックス7-B1
電話番号:03-5491-7756
メールアドレス:yoga@ufcgym.co.jp

取材・文/高野昭喜