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ナチュラルにトレーニングしようと腹をくくっている人は精神力が強い【ジュラシック木澤のトレーニング哲学vol.05】




なぜ人はトレーニングを行うのか?日本を代表するボディビルダーの1人、“ジュラシック木澤”こと木澤大祐さんに尋ねる本連載「ジュラシック木澤のトレーニング哲学」。連載最終回の今回は、アスリートとしての矜持を語って頂いた。
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――プロ=ユーザー(薬物使用者)というボディビル界の現状に、苦言を呈されています。仮に生まれ変わりというものがあるとして、その時にボディビル界の現状が何も変わっていないとします。何になりたいですか?

木澤 僕はゴルファーですね。ゴルフ大好きなんですよ。もともと中学生からゴルフやっています。と言っても、裕福な家庭でやっている坊ちゃんじゃないですよ。近所に河原があったので、オヤジのサンドウェッジを勝手に使ってボールを打っていたんですけど、それが面白くなっちゃって。学校終わると、ボール100個ぐらい自転車のかごに入れて、サンドウェッジ1本持って河原に行って、練習していたんです。

――何か、ゴルフ界との繋がりはありますか?

木澤 JTカップで、岩田寛さんが僕の名前を出してくれたんですよ。僕のYouTubeを見て、凄いハマったみたいで。岩田さん、僕の生き様とかに凄い感銘受けたと言ってくれて。で、ラインで繋がったんです。いろいろやり取りする中で、まトレーニングのことでいろいろアドバイスしますという感じになりました。自分が一番やりたかった競技のプロの方からメッセージをもらったことが、もの凄く嬉しくて。僕、ボディビルの大会とゴルフの大会が同じ日にあったら、絶対ゴルフの大会を見に行きますもん。ロニー・コールマンとタイガー・ウッズ、どっちとしゃべりたいかっていうと、迷わずタイガー・ウッズですね。ロニー・コールマンに興味ないです。ゴルフ、純粋に好きですね。

――大会への関心で一例を挙げると、日本のトップビルダーの中には、トレーニングが好きなのであって、別に大会に出なくてもいいとおっしゃる方もいます。そうした考えは、理解できますか?

木澤 僕は、アスリートではいたいなと思います。大会に出ないとアスリートではないじゃないですか。トレーニングが好きというのは変わらないですが、やっぱり勝負としてやっている面白さがあります。でも、ボディビルの勝負って、あんまり勝負感ないですよね。当日バチバチ戦うわけでもないし、本当に品評会みたいな感じなので。当日の盛り上がり度で言えば、最低レベルですよね。だって、頑張ると言っても頑張りようがないし、頑張れと言われても、もうできないものはできないですからね。凄いミラクルポーズが出てきて点が急に上がるわけじゃないですし。一発逆転とか、ちょっとずっこけたとかいうのもないですし、当日朝に体を見れば、結果は分かりますからね。

――自分に辛いものを課して成長するという考え方に集約されてくると思います。木澤さんの場合、かなり肉体的に厳しい仕事をなさっていらっしゃった時期があります。毎日4時間睡眠で家事、仕事、トレーニングをしているというボディビルの選手もいます。なぜそこまでして筋肉を求めていくのでしょうか?

木澤 ナチュラルにトレーニングしようと腹をくくっている人って、精神力が絶対強いですよ。ですから、自分が仕事とか環境とかで辛いとしても、そこを楽な方に逃げるとうか、変えようという気がそもそも起こらないんです。やれる範囲でやるかっていうところであって、仕事で楽なものを求めていたらキリがないと思います。アマチュアですからね、基本僕らは。

――日本選手権のトップクラスの選手の多くは、ゴールドジムの職員です。仕事をそうした方向に変えていこうとは思われなかったのですか?

木澤 それはなかったですね。僕、自分のジムも、出そうと思って出したわけじゃないんです。サラリーマン時代に肉体労働をしながら競技をやってきたことで、ご褒美じゃないですけれど、前の会社がこのジムを出して、その2年後に自分がオーナーになったという流れです。肉体労働がもう嫌だからといって、体を使わない仕事に変わっていたら、今こういう風になっていないです。いずれ自分でジムだそうなんて計画は全くなかったです。

――年齢とトレーニングの関係、どのようにお考えですか?

木澤 怪我は怖いですね。トレーニングレベルは落ちていないし、調子が悪いわけでもないのですが、怪我しやすくなっているはずなので、その辺で何か大きなことをしてしまうと、今の体を維持することもきついのかなと思ってしまいます。それが怖いですね。体力的なところでは、コンディションが良ければ、しっかりトレーニングできて、しっかりいい身体をつくれるのでいいのですが、自分でコントロールできない部分、怪我とかはちょっと怖い。用心していますね。

――生まれ変わりではなく、10代20代に戻って、トレーニング以外の何かを選択するとすれば、どんなものを選びますか?

木澤 どうですかね、多分仕事で極めたいかな。例えば医者でもいいですし、何か専門的なことですね。職人ですよね。その分野のプロというか、そういうので極めていきたいかな、と思いますね。結局一緒ですよね。体で極めるのか、頭で極めるのか、技術で極めるのか。とことん根詰めて、研究じゃないですけれど、面白いなと思いますね。

取材・文/木村卓二 写真/木村雄大

木澤大祐(きざわ・だいすけ)
1975年1月9日生。20代から30代にかけての約15年間、肉体労働とトレーニングの両立という過酷な日々を過ごす。日本屈指の筋量を誇るバルク派ビルダーとしての地位を築き、現在はJURASSIC ACADEMY代表。ニックネームは「ジュラシック木澤」。
【主な競技戦歴】
2004年ジャパンオープン選手権優勝
2007年・2019年日本選手権4位
2014年・2015年・2019年日本クラス別選手権85kg級優勝
【JURASSIC ACADEMY】
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